2015年3月に開催された早期胃癌研究会運営委員会にて、早期胃癌研究会運営委員長に指名された、佐久医療センター内視鏡内科の小山恒男です。これから3年間、委員長として早期胃癌研究会の運営に携わらせて頂きます。
早期胃癌研究会は1960年に始まった「初期癌研究会」を前身とし、1964年から開催されている研究会です。初代の村上忠重先生から第7代目の牛尾恭輔先生までは、早期胃癌研究会運営委員長と「胃と腸」編集委員長は兼任でした。2003年からは「胃と腸」と「早期胃癌研究会」は協力しつつも、別の機関として運営されることとなり、多田正大先生が早期胃癌研究会の初代運営委員長に就任されました。その後、浜田勉先生、斉藤裕輔先生に継ぎ、この度4代目の運営委員長に就任いたしました。
早期胃癌研究会の目的は「医師、その他の医療従事者および研究者が、消化管疾患の症例を主に診断学的見地から幅広く検討し、診断ならびに治療の向上と普及に貢献すること」とされています。そのためには、まずは所見を正確に読影し、正確な言葉として表現することが大切です。次に、その所見が、どのような病理組織学的な所見を反映しているのかを考える。 そして、炎症なのか、腫瘍なのか? 上皮性か非上皮性か? 腫瘍であれば組織型、深達度、浸潤様式は? 鑑別には、さらにどのような情報が必要なのかを検討する。そして、「最後に、病理診断の解説を聞いて終了」。でも、これでは不充分です。
臨床医が指摘した、診断根拠は正しかったのか? 本当にその根拠で良かったのか? なぜ、読めなかったのか? その理由を再検証する必要があります。そのためには臨床像と病理像の、徹底的な対比が必須であり、これが早期胃癌研究会の真骨頂でもあります。そのために、症例提示医、読影担当、司会担当の先生方へ、以下をお願い致します。
小生は、田舎の総合病院で卒後研修を受け、診療所勤務を経て現在に至っています。がんセンターでも大学病院でも無い、地方病院の医師にとって、早期胃癌研究会は診断学を学ぶために、最も重要な場でした。この早期胃癌研究会を益々、充実させ、切磋琢磨の場としてお役立てできるよう、努めさせて頂きます。今後ともご指導、ご支援をよろしくお願い致します。
2015年4月
佐久医療センター 内視鏡内科
小山 恒男 拝