日時 |
2024年8月3日(土)8:45 〜 15:55 |
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参加費 | 1,000円(学生・研修医は無料となります) |
プログラム | プログラム |
「咽喉頭から頸部食道の腫瘍性病変」
大阪国際がんセンター 消化管内科 石原 立
1)大阪国際がんセンター 消化管内科 松山 和輝
2)がん研有明病院 上部消化管内科 山本 浩之
3)東京医科歯科大学 食道外科 川田 研郎
北海道大学医学部 消化器内科学 山本 桂子
兵庫県立がんセンター 消化器内科 山本 佳宣
咽喉頭から頸部食道にかけては、その複雑な解剖学的特徴に加え、従来、耳鼻咽喉科医の守備範囲とされてきたことから、内視鏡の通り道でありながら、内視鏡医が同領域の適切な観察方法や所見の取り方、病変の鑑別診断などのトレーニングを受ける機会は限定的であると言わざるを得ない。咽喉頭癌および食道癌は飲酒、喫煙といった共通の癌誘発因子によって引き起こされ(field cancerization)、本邦では未だに罹患数が増加傾向にある。日常内視鏡診療において遭遇する機会が増加している中で、腫瘍性病変を確実に早期発見し、内視鏡的切除などの低侵襲治療につなげていくことが求められる。
そこで、本セッションでは基調講演と症例検討を通じて、咽喉頭から頸部食道の最適な観察方法から腫瘍性病変の診断手順を学ぶ場にしたいと考えている。教育的な典型症例や一回見たら忘れない珍しい症例など、多くの症例応募を期待している。
「 回盲部病変の鑑別診断 」
松山赤十字病院 胃腸センター 蔵原 晃一
1)名古屋市立大学 消化器・代謝内科学 佐々木 槙子
2)がん研有明病院 上部消化管内科 栗原 渉
松山赤十字病院 胃腸センター 池上 幸治
九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 梅野 淳嗣
佐賀大学医学部付属病院 光学医療診療部 芥川 剛至
岐阜県総合医療センター 消化器内科 山崎 健路
小腸や大腸には種々の炎症性あるいは腫瘍性病変が形成される。これらの疾患の診断過程において病変形成部位は重要な鑑別ポイントであることは間違いないが、回盲部は小腸と大腸の移行部といった解剖学的特徴に加えて腸管関連リンパ組織が特に発達していることや急激な腸内環境の変化などが相まって、非常に多くの鑑別疾患が存在する。そこで、本主題では回盲部に発生しうる疾患に焦点を当て、基調講演で鑑別診断のポイントをご講演いただくとともに、症例をもとに診断プロセスを学ぶ場としたい。回盲部に限局あるいは回盲部を主体とした炎症性あるいは腫瘍性病変を広く募集する。
がん患者の生活の質を向上させるためにはがんに伴う心と体のつらさを和らげることが重要になる。中でも緩和医療で使用される主な薬剤であるオピオイドは疼痛に、抗精神病薬はせん妄に対して用いられるが、消化器症状(悪心・嘔吐、便秘)の副作用が高頻度で発生し、QOL 低下の根源となることが多いため緩和治療と合わせて副作用の低減・コントロールも求められてくる。また、がん患者の高齢化に伴い加齢に伴い罹患率が高まる疾患についての治療に対する知識も合わせて求められるようになってきている。本セッションでは現在行われている緩和医療について最新の話題を提示し、併せて薬剤に伴う副作用マネジメントも紹介する予定である。
1)九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 内海 聡志
2)札幌医科大学医学部 消化器内科学講座 川上 裕次郎
福岡大学医学部 消化器内科学講座 平井 郁仁
東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 猿田 雅之
消化管の炎症性疾患にはいわゆる狭義の IBD の他に、膠原病や自己免疫疾患などに伴う消化管病変が存在し、しばしばこれらの鑑別は困難である。さらに、薬物療法の選択においても原疾患の病態を考慮する必要がある。
本セッションでは全身性疾患に伴う消化管炎症を特集し、症例を共有して議論を深めたい。
「肝炎症性偽腫瘍−IgG4 関連を含めて−」
金沢大学附属病院 放射線科 小坂 一斗
1)肝放線菌症の1例
福岡大学病院 放射線科 田中 慎二
2)肝放線菌症の1例
金沢大学病院 放射線科 松本 純一
3)肝内胆管癌が疑われた炎症性病変の 1 例
九州大学 構造病態病理学分野 糸山 昌宏
4)特徴的なペルフルブタン造影超音波検査所見を呈した肝炎症性
偽腫瘍の 1 例
福岡大学筑紫病院 消化器内科 田中 利幸
5)膵病変に合併した肝炎症性偽腫瘍の 1 例
佐賀県医療センター好生館 肝胆膵内科 森 美哉子
6)診断に苦慮した肝腫瘍性病変の 1 例
倉敷中央病院 消化器内科 田嶋 宏一郎
肝炎症性偽腫瘍(inflammatory pseudotumor:IPT)は, 病理組織学的に fibrohistiocytic type と lymphoplasmacytic type に分類される. 前者は炎症性胆管像を示し, 感染や炎症などによる胆管炎を来した後の修復機序によって形成される.一方, 後者は硬化性胆管炎像を示し, IgG4 関連疾患の一つとして自己免疫機序が原因と考えられている.fibrohistiocytic type は肝の辺縁に腫瘤を形成することが多く, lymphoplasmacytic type は肝門部で胆管に浸潤し,肝胆道系酵素の上昇で発見されることが多い. また病理組織学的に肝 IPT の類似疾患として, 悪性腫瘍としてのリスクを伴う炎症性線維芽細胞性腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumors:IMT)や Epstein-Barr virus 関連炎症性偽腫瘍様濾胞樹状細胞性腫瘍などがある. 肝 IPT は, 肝細胞癌, 肝内胆管癌, 転移性肝腫瘍などの悪性疾患や肝膿瘍などとの鑑別が必要であるが, 特徴的な画像所見に乏しく, 困難なことが多い. そこで,本セッションでは各種の画像検査と生検病理標本によって診断された, あるいは診断が困難で切除された IPT 症例を呈示して頂き, 他疾患との鑑別の手がかりとなる画像や病理所見を共有したい。
「乳頭部腫瘍の診断と治療(update)」
名古屋大学大学院医学系研究科 消化器内科学 川嶋 啓揮
1)特異な形態を呈した乳頭部癌の 1 例
旭川赤十字病院 消化器内科 齋藤 敦
2)大型の乳頭部腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術の 1 例
-困難例に対する対応と病理学的考察ー
名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部 廣P 崇
3)EP 後 3 年で胆管内再発を来した乳頭部腫瘍に対して管腔内ラジオ
波焼灼療法が有用であった 1 例
東京医科大学病院 消化器内科 塩谷 健斗
4)大量の粘液に被覆された腫瘤像を呈した粘液癌合
Intra-Ampullary Papillary-tubular Neoplasm(IAPN)の 1 切除例
仙台市医療センター 仙台オープン病院 消化管・肝胆膵内科
楠瀬 寛顕
5)腫瘍径が 30mm にも関わらず,低異型度の高分化腺癌であった
十二指腸乳頭部癌の 1 例
福岡大学筑紫病院 消化器内科 松岡 大介
十二指腸乳頭部腫瘍、とくに十二指腸乳頭部癌に対する標準的治療は膵頭十二指腸切除術(pancreatoduodenectomy;PD)である。しかし、PD は侵襲が大きいことから、乳頭部腺腫や腺腫内癌に対し、縮小手
術として外科的な経十二指腸的乳頭部切除術や内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy;EP)といった乳頭部局所切除術が試みられている。
EP は 1983 年に本邦から報告され、2021 年には日本消化器内視鏡学会から診療ガイドラインが示されている。診断に関しては内視鏡機器や EUS の改良による診断能向上、治療に関しても止血用のクリップや局所止血剤の登場による、偶発症率の低減が期待されている。しかし、なかには質的診断や進展度診断が困難な症例にも遭遇する。また内視鏡的な切除が困難な症例は外科的切除を選択すべきか、腺腫内癌の取り扱いなど議論も多い。腫瘍違残や再発例に対するマネージメントも必要である。本セッションでは、乳頭部腫瘍の診断・治療についての知識を update し、今後の課題について明確とする症例の提示をお願いしたい。
「長期経過観察中に発生した膵癌の画像を振り返る」
手稲渓仁会病院 消化器病センター 潟沼 朗生
1)10 年前より存在した限局性膵萎縮部位に生じた IPMN 併存膵上皮
内癌の 1 例
敬愛会中頭病院 消化器内科 森 英輝
2)IPMN に対する約 10 年の経過観察中に膵上皮内癌を疑い手術を
行った 1 例
仙台市医療センター 仙台オープン病院 消化管・肝胆膵内科
細川 健斗
3)主膵管狭窄例に対する経過観察 6 年後に発生した膵癌の 1 例
京都大学医学部附属病院 消化器内科 村本 雄哉
4)3 年半前からの腫瘤形成にも関わらず非常に緩徐に進行した微小膵
癌の 1 例
名古屋大学医学部付属病院 消化器内科 堤 克彦
5)分枝型 IPMN の長期経過観察中の膵萎縮部位から発生した膵癌
の 1 例
愛知県がんセンター 消化器外科 浅野 智成
慢性膵炎やIPMN、糖尿病患者の膵癌高危険群の経過観察中の累積膵癌発症率は経年的に上昇していくため、耐術能がある限り長期の経過観察が勧められる。また膵癌やIPMN切除後長期生存者の残膵にも、異時性多中心性の膵癌が発症することがあり、各種ガイドラインでも長期にわたる術後残膵の経過観察が推奨されている。一方、適切な経過観察法は確立されておらず、定期的な経過観察にも関わらず切除不能膵癌で診断されることもしばしばある。また診断前から微小な画像変化が出ているにも関わらず見逃されて、進行癌で診断されることもある。本セッションでは示唆に富む長期経過観察中に発生した膵癌の画像を振り返り、その特徴や至適画像診断法、経過観察法について討議していただきたい。