「第25回臨床消化器病研究会」肝胆膵の部では、各主題で検討する症例を公募いたします。
「主題のねらい」に即した症例があれば、「症例申込表」・「画像・病理データ」をCDに保存の上、事務局宛にお送りください。
※本研究会では、各セッションの模様をDVDに収録し、研究会終了後に希望者に貸出します。
応募にあたっては、予めご承知おきください。
2025年6月30日(月)(必着)
臨床消化器病研究会(肝胆膵)運営事務局
EAファーマ株式会社 製品戦略部(内サンプラネット 古屋)宛
〒104-0042 東京都中央区入船2丁目1番1号9階
TEL:080-9279-4610
※「臨床消化器病研究会 症例申込表」を使用し、以下の項目を必ずご記入願います。
※パワーポイントで作成
し、以下の画像・病理データをご提出願います。※病理標本現物(プレパラート)は、送付しないでください。
肝血管腫、肝類上皮血管内皮腫(EHE)、肝血管肉腫はいずれも血管性増殖性病変であり、肝に発生する腫瘍性病変の中でも画像診断上、特異な課題を有する。肝血管腫は頻度の高い良性腫瘍である。大部分は海綿状血管腫であり、CT/MRIのダイナミックスタディ、超音波所見、MRI信号で診断は容易である。しかし、退行変性、線維化、出血を伴うことにより非典型像を呈する例では、悪性腫瘍との鑑別が困難となり、不必要な外科的切除が行われることもある。EHEは、血管内皮由来の稀少腫瘍であり、低?中間悪性度に分類される。肝末梢に多発し癒合傾向を示す典型例では診断が比較的容易であるが、孤発性や肝門部に限局する病変では、画像診断に難渋する。肝血管肉腫は極めて悪性度が高く、画像所見も多発結節型、腫瘤型、びまん型と多彩である。造影効果やMRI信号も不均一であり、画像診断のみでの確定は困難を極める。本セッションでは、これらの血管由来腫瘍性病変における診断困難例や稀少腫瘍の症例、あるいは特異な経過をたどった症例を提示し、それぞれの画像的特徴、病理診断上の課題、治療戦略への影響を多角的に検討する。基調講演および症例検討を通じて、鑑別のヒントとなる画像所見を整理し、日常診療に応用可能な知見の共有を目的とする。
膵・胆管合流異常は、胆管と膵管が十二指腸壁外で合流する先天性形成異常である。膵・胆管合流異常は、胆道癌の発生率が高く、胆道癌の危険因子としても知られている。その原因の一つとして、膵液の胆管への逆流による胆道粘膜の慢性的な炎症の持続と考えられている。膵・胆管合流異常に合併する胆道癌の病理組織学的特徴として、肉腫様胆嚢癌や混合型神経内分泌癌などの特殊亜型が多く、遺伝子変異も多いとされるが明らかではない。また、胆管拡張のない膵・胆管合流異常症例は、胆管癌の頻度が低い事から、予防的な胆嚢摘出術のみを行うことも多いが、遺残胆管への発癌頻度や発生した腫瘍の特徴など不明な点も多い。今回、膵・胆管合流異常に合併した胆道病変の症例を募集する。様々な症例を集積することにより、膵・胆管合流異常と胆道癌の理解を深め、明日からの日常診療に役立てたい。多数の応募を期待する。
臨床消化器病研究会もこの第25回の『膵』のセッションで最後を迎える。これまでのセッションではIPMNや膵がん、MCN、小膵癌、など幅広く疾患を取り上げてきた。これにより、典型例から非典型例まで広範かつ多岐にわたる知識が得られ、本研究会が参加者にとって有用かつ有益であったことは疑いの余地がありません。さらに、この研究会の大きな目的の一つである若手の教育にも多大なる貢献をしてきたと思います。研究会の最後のセッション『膵』では、若い世代に伝えたい貴重で教育的な症例を広く募集します。テーマは「次世代に伝えたい貴重な症例:膵」です。実際のセッションでは、若手医師を数名ディスカッサントとして指名し、若手の意見や疑問を広く受け付け、議論を盛り上げていくことを考えています。これにより、これまで25回行ってきた臨床消化器病研究会の目的や重要性、マインドを次世代の若手医師に受け継ぐ機会としたいと思います。次世代にどうしても伝えたい多くの演題応募を期待しています。