日時 |
2022年7月30日(土)8:45 〜 15:50 |
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参加費 | 1,000円 |
プログラム | プログラム |
「腸管非上皮腫瘍の鑑別診断」
松山赤十字病院 胃腸センター 蔵原 晃一
1)獨協医科大学日光医療センター 消化器内科 佐藤 愛
2)広島大学病院 消化器 ・ 代謝内科 壷井 章克
3)佐賀大学医学部 内科学講座 消化器内科 芥川 剛至
1)九州大学大学院 病態機能内科学 川崎 啓祐
2)北摂総合病院 消化器内科 佐野村 誠
3)岐阜県総合医療センター 消化器内科 山崎 健路
画像強調内視鏡あるいは拡大内視鏡観察の普及に伴い、消化管上皮性腫瘍の質的診断精度は格段に進歩した。一方、消化管非上皮性腫 瘍の診断においてはこれら特殊内視鏡の恩恵 を受けることができない。したがって、腸管非上皮性腫瘍の鑑別診断に際しては画像所見に加えて病変発生部位や病変数、患者臨床像などから総合的に判断することになるが、各疾患の X 線・ 内視鏡所見の特徴を正しく認識しておくことは大前提である。本セッションでは腸管非上皮性腫瘍の画像的鑑別ポイントをミニレクチャーと症例検討を通じて学ぶ場としたい。
「小児IBDの特性と成人診療医へのトランジションの現状と課題 」
順天堂大学大学院医学研究 小児思春期発達・病態学 清水 俊明
1)久留米大学医学部 小児科学教室 水落 建輝
2)群馬大学大学院 医学系研究科小児科学分野 石毛 崇
3)国立成育医療研究センター 小児内科系専門診療部 消化器科 清水 泰岳
1)防衛医科大学 消化器内科 穗苅 量太
2)兵庫医科大学 炎症性腸疾患センター 内科 渡辺 憲治
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD )は、10歳代後半から 30 歳代前半に発症することが多いが、小児期から発症する Early onse t (10 歳〜17歳や Very early onset (<10歳)IBDの存在も知られている。小児期発症のIBDや類縁疾患では、小児科医が検査および治療を担当するが、一方で、成長に伴う成人診療医師への引き継ぎ(トランジション)に留意する機会も増えている。今回では、小児期IBD診療およびトランジションについて、症例検討を通じ、単に疾患の内視鏡や治療法を検討するだけでなく、小児期特有の問題点や配慮すべき点を含めた診断および治療アプローチについて討議したい。
本邦では内視鏡検査は広く行われ、器質的疾患の診断に大きく貢献している。一方、機能性疾患に関しては、内視鏡検査の役割は器質的疾患の除外にとどまっているのが現状である。近年、内視鏡を用いた食道・胃疾患の病態・機能評価の報告がみられる。食道疾患では食道運動異常症、好酸球性食道炎を疑う内視鏡所見が報告されてきた。また、内視鏡検査でのGERDの機能評価が始まり、内視鏡での機能診断への期待も高まってきている。胃疾患に関しても、胃粘膜の変化・所見と組織像の対比、自己免疫性胃炎の初期内視鏡像とが明らかとなってきた。また、内視鏡を用いた胃機能評価についても検討が始まっている。本セッションでは本邦での内視鏡による消化管疾患の病態・機能評価の現状を紹介していただく。
「自己免疫性胃炎の病理診断」
(病理)滋賀医科大学 病理学講座 九嶋 亮治
「自己免疫性胃炎の内視鏡診断」
(内科)藤枝市立総合病院 消化器内科 丸山 保彦
1)宇治徳洲会病院 健診センター 小寺 徹
2)大阪医科薬科大学病院 消化器内視鏡センター 岩坪 太郎
東京女子医科大学病院 消化器内視鏡科 岸野 真衣子
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科 吉永 繁高
1973年にStricklandらは、胃体部の広範な萎縮、低酸症、悪性貧血を特徴とする慢性萎縮性胃炎をA型胃炎と呼称し、胃粘膜に対する自己免疫機序によって生じることを示唆した。現在、A型胃炎は自己免疫性胃炎と呼ばれるが、その診断は前項目を含む臨床所見と病理所見から総合的になされている。本邦でもH. pylori感染率の低下と疾患概念の普及とともに、自己免疫性胃炎の診断機会は増えているが、診断基準、好発する併存病変、サーベイランスの要否など、いまだ不明確な点は多い。本セッションでは自己免疫性胃炎の内視鏡診断と組織診断についての基調講演と症例検討を通じて、現時点での知見の整理と今後明らかにされるべき問題点を議論したい。
「進行肝細胞がんに対するConversionを狙った治療戦略」
東京大学大学院医学系研究科 外科学専攻臓器病態外科学肝胆膵外科 長谷川 潔
1)レンバチニブ先行投与後選択的肝動脈化学塞栓術併用療法(
LENTACE sequential therapy)から外科的切除へconversionできた切除不能肝細胞癌の 1 例
岩手医科大学医学部 消化器内科 及川 隆喜
2)門脈腫瘍栓(を伴う肝細胞癌に対し、レンバチニブ併用シスプラチン肝動注化学療法により縮小がみられ、Conversionsurgeryを選択した1例
金沢大学附属病院 消化器内科 木戸 秀典
3)アテゾリズマブ+ベバシズマブ療法後にconversion肝切除を行った肝細胞癌の2例
兵庫医科大学 肝胆膵外科 奥野 将之
4)Atezolizumab + Bevacizumab併用療法後にLEN-TACE + 肝切除でCRを達成した1例
近畿大学医学部 消化器内科 青木 智子
切除不能な肝細胞癌(に対するレンバチニブ(LENの有効性が示されて以来,その高い抗腫瘍効果からLENにより治癒切除が可能となるconversion症例が増加した。しかしながら、LENの治療効果判定では、腫瘍血流の消失壊死とはいえないなど、画像と病理のdiscrepancyも指摘されている。また、conversionのタイミングや長期予後に関して不明な点も多い。2020年に進行HCCの一次治療として登場したアテゾリズマブ+ベバシズマブによる免疫複合療法においても、hyperprogressionとpsuedoprogressionの鑑別、irAEによる肝障害の存在など考慮すべきことは多いものの、conversionによるcancerfree, drugfreeが期待されている。一方、免疫複合療法によるconversion のinitial seriesで、肝臓、皮膚、肺、膵のirAEによる術後2.4ヶ月での死亡例が報告されている(Zhu XD et al. Liver Cancer 2021)。そこで、切除適応外症例で、薬物療法により外科的切除が可能となった(conversion)HCC症例を提示していただき、治療に伴う画像所見の変化と病理所見から、診療過程におけるピットフォールやconversionの適応と意義に関して討論したい。
「胆嚢腺筋腫症に合併した胆嚢癌」
自治医科大学 消化器肝臓内科 菅野 敦
1)胆嚢ADMに限局的な浸潤癌への移行像を伴う早期胆嚢癌の1例
京都大学医学部附属病院 消化器内科 安田 宗司
2)胆嚢腺筋腫症内へ進展した胆嚢癌の1例
広島大学病院 消化器 ・ 代謝 内科 壷井 智史
3)胆嚢腺筋腫症に胆嚢癌を合併した1例
福岡大学筑紫病院 消化器内科 永山 林太郎
4)Rokitansky-Aschoff sinusに限局する胆嚢癌の1例
手稲渓仁会病院 消化器病センター 安藤 遼
5)胆嚢腺筋腫症に合併し,1年間で急速に増大した胆嚢癌の 1 例
東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野 浅野 響子
胆嚢腺筋腫症(Adenomyomatosis of gallbladder; ADM)は,胆嚢壁内RokitanskyーAschoff sinus (RAS)の増殖および周囲の平滑筋細胞の壁内増生による胆嚢壁の肥厚を主体とする病態であり、病変の部位と形態から限局型、分節型、びまん型に分類される。ADMと胆嚢癌との直接的な関連はないと考えられているものの、いまだに不明な点も多い。ADMに胆嚢癌が合併すると、ADMによる壁肥厚所見に加え、結石や炎症性変化により、良悪性の鑑別診断は一層困難となる。さらにADMの合併により腫瘍の深達度診断にも影響を与える。また胆嚢摘出術後に偶発的に発見された胆嚢癌も存在するなど、解決すべき課題は多い。本セッションでは、ADMに合併した胆嚢癌をご提示いただき、その画像所見、術前の細胞診・組織学的診断などを含めた鑑別・確定診断法、深達度診断、術式の選択、さらに病理所見などについて議論したい。たくさんの応募を期待する。
「膵神経内分泌腫瘍( PanNET )の診断・治療 UPDATE」
(内科)国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科 肱岡 範
「膵神経内分泌腫瘍( PanNET )の診断・外科治療 UPDATE」
(外科)東京医科歯科大学病院 肝胆膵外科 工藤 篤
1)術前のERP下膵液細胞診で組織学的診断が得られたセロトニン産生性PanNETの1例
自治医科大学内科学講座消化器内科部門・病理診断部 池田 恵理子
2)主膵管狭窄と脈管侵襲を伴った8mm大の膵NETの1例
手稲渓仁会病院 消化器病センター 濱 憲輝
3)膵炎で発症した PanNET の 1 例
鹿児島大学医学部 消化器・乳腺甲状腺外科 伊地知 徹也
4)尾側膵管拡張を伴い膵癌との鑑別に難渋した膵頭部NETの2症例
敬愛会中頭病院 消化器内科 森 英輝
5)ACE 及び PRRT により低血糖症状の改善を認めた機能性 NEN 肝転移の1例
尾道総合病院 消化器・代謝内科 津島 健
6)膵全摘後早期に再発をきたし、各種薬物療法が奏効せず永眠した NET G3 の1例
愛知県がんセンター 消化器内科 羽場 真
WHO分類2017/2019や本邦の診療ガイドライン第2版(2019年の改訂により膵神経内分泌腫瘍(の病態や診療に関する知見が周知されるようになってきた。また、各種治療薬やオクトレオスキャンやPRRTなどソマトスタチン受容体を標的とした新しい診断・治療法、さらに低侵襲鏡視下膵切除術が本邦でも保険収載され、PanNENの診断能・治療の選択肢も増えた。一方、非典型的画像所見を呈するNENの診断、偶然発見された無症状の小さなPanNENの取り扱い、遠隔転移を伴う患者への集学的治療における治療法の選択や手術のタイミング、遺伝性PanNENへの対応などの課題も多い。本セッションではPanNENの診断や治療に関する示唆に富んだ症例を募集する。なお今回は高分化型腫瘍(PanNETG1G3)のみを対象とし、低分化型腫瘍NEC)や非神経内分泌腫瘍が混在するMiNENは対象外とする。多数の演題応募を期待する。