日時 |
2020年11月21日(土)8:45 〜 15:50 (受付開始 8:00〜) |
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場所 |
ベルサール汐留 「B1Fホール、2Fホール」よりWeb配信 |
開催形式 | Zoom配信 |
パンフレット |
消化管の部 肝胆膵の部 |
プログラム | プログラム |
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1)秋田赤十字病院 消化器病センター 加藤 文一朗
2)がん研有明病院 下部消化管内科 斎藤 彰一
3)久留米大学病院 消化器病センター 永田 務
1)秋田赤十字病院 消化器病センター 松下 弘雄
2)広島大学病院 消化器・代謝内科 岡 志郎
3)九州大学大学院 病態機能内科学 川崎 啓祐
従来、過形成ポリープ(Hyperplastic polyp: HP)は非腫瘍性病変であり、癌化することはないと考えられていた。しかし症例の蓄積や分子病理学の進歩により、これらの一部に異型を伴う病変や癌が併存する病変が報告され、内視鏡的特徴も提示されるようになり、2010年WHO Classification(the 4th edition)にて大腸鋸歯状病変は病理組織学的にHP( microvesicular/goblet cell rich/mucin poor)、Sessile serrated adenoma /polyp(SSA/P)、Traditional serrated adenoma(TSA)、SSA/P with cytological dysplasiaに分類された。更に2019年WHO Classification(5th edition)において用語と組織学的診断基準の変更が行われHP (microvesicular/ goblet cellrich)、Sessile serrated lesion、Traditional serrated adenoma、Sessile serrated lesion with dysplasia、unclassified serratedadenomaに新たに分類された。また最近ではsuperficialy serrated adenoma(SuSA)という新しい疾患概念が本邦からも報告され、大腸鋸歯状病変はupdateを繰り返している。本セッションでは最新の大腸鋸歯状病変に関する知見をmini lectureと、洗練された内視鏡画像と病理組織学的所見との照らし合わせを行った症例を通じて学習するものである。
岩手医科大学医学部 内科学講座 消化器内科消化管分野 松本 主之
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順天堂大学大学院医学研究科 人体病理病態学 八尾 隆史
1)東北大学大学院医学系研究科 消化器病態学分野 猪股 優志
2)弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科学講座 菊池 英純
1)東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 猿田 雅之
2)岩手医科大学医学部 内科学講座 消化器内科消化管分野 梁井 俊一
免疫チェックポイント阻害薬は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体が保険承認されており、悪性黒色腫、非小細胞肺癌、腎細胞癌、ホジキンリンパ腫、大腸癌(MSH-High)など様々な悪性腫瘍の治療に用いられている。2014年に抗PD-1抗体が承認されて以降、散発的に報告されていた免疫チェックポイント阻害薬関連腸炎は、近年、消化器医に広く知られるようになった。しかし、一人の医師が経験する自験例や自施設例は多くなく、病態解明、鑑別診断、治療方針、難治例に対する治療など、様々な課題が残されている。
本主題は、今後も増加が見込まれる免疫チェックポイント阻害薬関連腸炎について、消化器内科医と病理医による基調講演、および症例検討により進行していく。免疫チェックポイント阻害薬関連腸炎の診療のキーポイントや課題について、最新の知識を整理し、明日からの臨床や研究に寄与する機会として参りたい。
消化器診療では初療で下痢・便秘を主訴にして受診する患者は非常に多い。その場合多くは大腸内視鏡等で器質性疾患の診断を行うが、9割以上は内視鏡的に病変を認めない、ないしはPPIによるmicroscopic colitisのように認めにくいことが報告されている。患者はその原因に加え治療も望んでいることから内視鏡で異常を認めない下痢・便秘に対してはその鑑別診断が非常に重要となる。便秘に関しては最近多くの新薬の登場で内視鏡で所見がない場合の鑑別の進め方などの啓もうがかなり進んだと思われる。また下痢に関しても多くの病態異常のメカニズムが明らかにされその鑑別が実臨床では重要になってきた。本セッションではこのような内視鏡陰性の下痢・便秘症の背景と病態また鑑別をどうするか、最後はその治療までのラップアップになるものと期待する。
「H.pylori 未感染胃底腺粘膜の病変」
福岡大学筑紫病院 病理部・病理診断科 二村 聡
1)大阪国際がんセンター 消化管内科 中村 孝彦
2)順天堂大学医学部 消化器内科学講座 赤澤 陽一
1)仙台厚生病院 消化器内科 平澤 大
2)早期胃癌検診協会附属茅場町クリニック 消化器内科 中島 寛隆
3)済生会福岡総合病院 消化器内科 吉村 大輔
我が国のH. pylori 感染率は年々低下し続けている。これまでわたしたちは、胃病変をH. pylori 胃炎の病態と関連付けて理解・診断してきたが、今後はH. pylori 感染に関連しない胃病変の診断学を学ぶ必要がある。胃底腺( 体部腺)粘膜は、腺窩上皮、副細胞、壁細胞、主細胞、ECL細胞などの多種類の細胞とその間質からなり、胃に特徴的である。同部に発生する病変は未分化型癌、胃型・腸型の分化型癌、カルチノイド腫瘍、胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、PPI関連胃症(ポリープ)、自己免疫性胃炎、など実に多彩である。これらの病変の正確 な診断とその精度向上には、胃底腺粘膜の細胞構成や組織構築の理解を深めることが重要である。本セッションではH. pylori 未感染胃底腺粘膜に発生する病変の診断とその根拠についてミニレクチャーと症例検討(各論)を通じて学びたい。
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1)膵・胆管合流異常に合併した Multicystic biliary hamartoma の1例
北海道消化器科病院 外科 田本 英司
2)興味ある画像所見の経時的変化を示した粘液性嚢胞腺腫の1例
福岡大学病院 放射線科 佐藤 圭亮
3)濃染される壁在結節を伴った出血性肝嚢胞の1例
神戸市立医療センター中央市民病院 放射線診断科 光野 重芝
4)嚢胞形成型 type2 IPNB の1例
金沢大学附属病院 放射線科 松原 崇史
5)嚢胞変性した肝原発腺扁平上皮癌の1例
久留米大学医学部 病理学講座 三原 勇太郎
(単純嚢胞を除く)肝の嚢胞性病変には、炎症性(感染、非感染含む)、腫瘍性いずれも含まれその臨床画像的特徴、病理像ともに多岐に渡る。典型的疾患は比較的容易に診断可能であるが、非典型例や希な疾患(濃染する隆起性充実部を持つ出血性嚢胞、multicystic biliary hamartoma、ciliated forgut cyst等)も悪性腫瘍や他疾患に類似した所見を呈する場合があり、日常診療の中では診断に難渋することも少なくない。本講演ではまれな嚢胞性肝腫瘍を取り上げることで、その臨床画像上の特徴を整理し、典型例以外の肝嚢胞性疾患の幅広いスペクトラムを理解することを目標としたい。
炎症性、腫瘍性を問わず、切除され最終診断が確定した、術前診断が困難であった肝嚢胞性病変を広く公募
するので多数の応募を期待したい。
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1)ステロイドトライアルで改善した胆管狭窄の1例
名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部 川嶋 啓揮
2)SpyGlass DS で経過を観察し得た Seronegative IgG4 関連硬化性胆管炎の1例
名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学 吉田 道弘
3)遠位胆管癌との鑑別に難渋し EUS-FNA で診断し得た IgG4 関連硬化性胆管炎の1例
東北大学病院 消化器内科 池田 未緒
4)EUS-FNA によって診断した IgG4 関連胆道病変の1例
北海道大学病院 消化器内科 瀧新 悠之介
5)肝炎症性偽腫瘍を伴った IgG4 関連硬化性胆管炎の1例
北海道消化器科病院 内科 中村 英明
5)自己免疫性膵炎が先行した IgG4 関連硬化性胆管炎との鑑別に苦慮した遠位胆管癌の1例
横浜市立大学医学部附属病院 肝胆膵消化器病学 八木 伸
IgG4関連疾患は、臓器毎の診断基準や診療ガイドラインの普及に伴い、その診断が容易になった。特に、自己 免疫性膵炎は、EUS-FNAの進歩に伴い組織採取が容易となって、診断に難渋することが少なくなった。一方、IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)は、胆管狭窄が多彩である事に加え、胆管病変の組織採取は困難であるために、胆管癌や膵癌との鑑別を含め、その診断に苦慮する症例が多い。本セッションでは、IgG4-SCと癌の鑑別が困難であった症例を提示して頂き、その診断や治療の過程を参加者と共有するとともに、胆道病変に対する適切なアプローチについて討論したい。ご応募頂く症例の最終診断がIgG4-SC・癌のどちらでも構わない。画像と病理の対比のために切除症例の提示が望まれるが、切除しなかったIgG4-SC症例も歓迎する。両者の鑑別に難渋した興味深い症例の応募を期待する。
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1)浸潤性膵管癌と鑑別困難であった自己免疫性膵炎の1例br> 自治医科大学内科学講座消化器内科部門/自治医科大学病理診断部 池田 恵理子
2)EUS-FNA で診断し得た膵上皮内癌の1例
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科 北村 英俊
3)EUS-FNA 後の needle tract seeding(NTS)により胃壁転移した膵体部癌の1例
JA 尾道総合病院 消化器内科 池田 守登
4)術前診断し得た膵癌に対する EUS=FNA 後の needle tract seeding の1例
岡山大学病院 消化器内科 松本 和幸
5)EUS-FNA 手技が診断および集学的治療の補助に有用であった局所進行切除不能膵癌の1例
京都大学医学部附属病院 消化器内科 薗 誠
EUS-FNAが本邦で保険収載されてからすでに10年が経過し、現在では広く日常臨床で用いられるようになっている。EUS-FNAの特徴としては高い診断能と低い偶発症率があげられる。特に膵腫瘍に対しては、膵癌の治療前の組織学的確証を得ること、鑑別診断困難な膵腫瘍に対する組織学的診断法として大きな役割を担っている。今後はさらにゲノム医療を目的とした、EUS-FNA検体を用いる遺伝子パネル検査への応用など、益々のその発展が期待される。しかしながら、EUS-FNA後のNeedle tract seedingが本邦を中心に報告が散見されるようになってきている。また膵上皮内癌診断は基本的には困難であること、さらにEUS-FNAが陰性の結果となった場合にどのような対処をするか、切除可能膵癌および切除可能境界膵癌に対する術前化学療法の有用性が示されつつあり、術前治療症例に対して適応をどうするか、などの課題も残されている。本セッションでは、EUS-FNAが有用であった症例、今後の展開が期待される症例、あるいは播種例を通して学べる症例などを報告いただき、EUS-FNAの役割について再考したい。多くの症例応募を期待している。