日時 | 2016年7月23日(土)8:45〜15:55 |
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場所 | 東京ビッグサイト 1階 レセプションホール 〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1 地図 TEL.03-5530-1111(代表) |
会場費 | 3,000円 |
パンフレット | |
プログラム | プログラム |
「逆流性食道炎と鑑別を要する疾患」
がん・感染症センター 都立駒込病院 内視鏡科 門馬 久美子
【症例提示】
1)福岡大学筑紫病院 消化器内科 小野 陽一郎
2)埼玉県立がんセンター 消化器内科 有馬 美和子
3)佐久医療センター 内視鏡内科 依光 展和
4)長岡赤十字病院 消化器内科 竹内 学
【読影者】
がん・感染症センター都立駒込病院 内視鏡科 藤原 純子
佐久医療センター 内視鏡内科 高橋 亜紀子
仙台オープン病院 消化器内科 前田 有紀
国立がんセンター中央病院 内視鏡科 吉永 繁高
【コメンテーター】
川崎市立井田病院 内視鏡センター 大森 泰
近年、H.pylori除菌療法の普及、H.pylori感染率の低下、肥満率の上昇等に伴い逆流性食道炎の頻度が増加しつつある。
逆流性食道炎の代表的所見は食道胃接合部の発赤、陥凹だが、同部には逆流性食道炎の他に、ビラン、潰瘍、萎縮、化生、腺癌、扁平上皮癌、炎症性ポリープ、乳頭腫、悪性リンパ腫等、鑑別すべき疾患が多々存在する。
そこで、今回の臨床消化器病研究会では、逆流性食道炎と鑑別を要する、良悪を含めた多種多彩な疾患を検討したい。日常診療で、診断に苦慮した接合部病変をご応募頂きたい。
「H.pylori 未感染・既感染胃粘膜の内視鏡診断および異常所見の拾い上げ鑑別」
地方独立行政法人 加古川市民病院機構 消化器内科 寺尾 秀一
【症例提示】
1)がん研有明病院 消化器内科 平澤 俊明
2)大阪成人病センター 消化管内科 鈴木 翔
3)済生会福岡総合病院 消化器内科 吉村 大輔
【読影者】
石川県立中央病院 消化器内科 土山 寿志
東京都がん検診センター 消化器内科 山里 哲郎
日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科 赤松 拓司
H.pylori感染率の低下と除菌治療の保険収載によりH.pylori陰性例に遭遇する機会が増えている。H.pylori陰性胃粘膜は、未感染と既感染の状態に分けられる。このような粘膜環境で遭遇する限局性病変の中には、H.pylori陽性胃における診断アルゴリズムでは質的診断に苦慮する場合がある。例えば、除菌後の陥凹性病変をどう診断するのか?胃体部の非萎縮粘膜の隆起性病変の鑑別は?未分化型癌の可能性がある非萎縮粘膜の褪色斑の良悪性の診断は生検でしかできないのか?など実臨床で判断に迷う場合が増えてきていると思われる。全てを生検診断に委ねるのではなく、内視鏡で質的診断に迫ることは患者のみならず医療資源の適正使用にも資するものである。
そこで、今回の臨床消化器病研究会ではH.pylori陰性胃粘膜における限局性病変を診断する際の内視鏡観察のコツと病理学的ポイントを明らかにしたい。
「大腸腫瘍の診断 -現状と将来展望-」
広島大学病院 内視鏡診療科 田中 信治
【症例提示】
1)佐久医療センター 消化器内科 篠原 知明
2)久留米大学医学部 消化器病センター 永田 務
3)昭和大学横浜市北部病院 消化器センター 神山 勇太
4)手稲渓仁会病院 消化器病センター 原田 拓
5)秋田赤十字病院 消化器病センター 高木 亮
【読影者】
がん研有明病院 消化器センター 斎藤 彰一
赤坂内視鏡クリニック 中村 尚志
国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科 大野 康寛
秋田赤十字病院 消化器病センター 松下 弘雄
聖マリア病院 消化器内科 河野 弘志
わが国におけるがん死亡数は年間約36.5万人であるが、そのうち大腸がんは約4.8万人で肺がん、胃がんに次ぐ多さである。さらに罹患数は年間12.5万人(第2位)にも上っている。
いずれも経年的に漸増傾向にあり、臨床現場では大腸腫瘍に対する画像診断は、経過観察も含めたその後の治療方針を判断するうえで重要であるが、一方で不適切な診断により被検者に不利益を招くリスクもある。
画像診断としては内視鏡診断が中心であるが、IEEの発達した拡大内視鏡診断では各種分類もあり目まぐるしい発展を遂げている一方で、これまで培われた注腸X線バリウムの知見が失われつつあるのも事実であり、初学者のみならず実地医家にとってもやや混乱した状況にある。
本セッションでは大腸腫瘍診断(腫瘍/非腫瘍の鑑別、腺腫/癌の鑑別、癌の深達度診断)の現状について基調講演と症例検討を通じて、基本事項から診断の肝について学びたいと考える。
「炎症を伴う肝腫瘤性病変(非腫瘍性・腫瘍性を含む)」
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 放射線科学 蒲田 敏文
1)術前の鑑別診断に苦慮した肝好酸球性肉芽腫の1切除例
島市立医師会医療センター 橋口 正史
2)肝 Reactive lymphoid hyperplasia の2例
手稲渓仁会病院 消化器病センター 田中 一成
3)メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例
福岡大学医学部 放射線医学教室 納 彰伸
4)診断に苦慮した続発性肝 Hodgkin リンパ腫の1例
福岡大学医学部 放射線医学教室 日隈 由紀枝
肝腫瘤性病変の鑑別診断において、臨床的・病理学的に炎症の関与が示唆される症例に遭遇した場合、その最終診断や患者のマネジメントに難渋することが少なくない。即ち、腫瘍性病変類似の炎症性腫瘤、あるいは炎症性反応を伴った腫瘍性疾患が含まれるからである。今回は非腫瘍性(純粋な炎症性・反応性)、腫瘍性を問わず、臨床的・病理学的に急性あるいは慢性炎症反応が顕著な肝腫瘤性病変をテーマとして取り上げ、その臨床・画像・病理像を明らかにしたい。
具体的には種々のステージの膿瘍、寄生虫疾患、結核腫、サルコイドーシス、炎症性偽腫瘍(IgG4関連疾患も含む)、偽リンパ腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、ホジキンリンパ腫などが想定される。
しっかりした臨床、画像、病理学的検討が可能な症例を広く検討することで、会場の皆さんと共に、本疾患群に関して知識の整理ができれば幸いである。切除例のみならず肝生検例を含め、積極的な公募を期待する。
「胆嚢癌との鑑別を要する胆嚢病変」
東京医科大学 消化器内科 糸井 隆夫
1)黄色肉芽腫性胆嚢炎の2例
名古屋大学大学院医学系研究科 腫瘍外科学 前田 孝
2)胆嚢癌との鑑別が問題となった限局型黄色肉芽腫性胆嚢炎の1例
手稲渓仁会病院 消化器病センター 古賀 毅彦
3)黄色肉芽腫性胆嚢炎、胆嚢腺筋腫症に併存した胆嚢癌の1切除例
鈴鹿中央病院 消化器内科 田中 宏樹
4)EUSで進展範囲診断が困難であった非拡張型膵胆管合流異常合併胆嚢癌の1例
尾道総合病院 消化器内科 池本 珠莉
5)術前診断が困難であった胆嚢 adenomyomatous hyperplasia の1例
佐久医療センター 消化器内科 桃井 環
6)胆嚢癌に類似した画像所見を呈した胆嚢ポリープの1例
札幌厚生病院 第2消化器内科 長川 達哉
胆嚢病変は解剖学的な特性から組織細胞診の検体採取が困難な場合が多く、正診率も低率であり、画像診断が進歩した現在でも鑑別診断に難渋する症例がある。鑑別の方法としては、造影CT、MRI、EUS、FDG-PET、経乳頭的な胆汁細胞診などがあり、近年ではEUS-FNAの成績も報告されている。胆嚢癌と鑑別を要する胆嚢病変は、隆起性病変と壁肥厚病変の二つに分類される。前者は、有茎性病変としてコレステロールポリープ、腺腫、過形成ポリープなどが、広基性および無茎性病変として転移性腫瘍、悪性リンパ腫、神経内分泌腫瘍、癌肉腫、肉芽腫性ポリープ、腺腫様過形成などがある。また、後者は、限局性病変として腺筋腫症が、びまん性病変として、腺筋腫症、コレステロローシス、慢性胆嚢炎、膵胆管合流異常に伴う胆嚢病変、黄色肉芽腫性胆嚢炎などがある。本セッションでは、胆嚢癌との鑑別に苦慮したこれらの病変を御提示いただき、正確な術前診断に迫るポイントを討論したい。画像と病理の対比が可能な症例の提示を期待する。
「膵管内発育進展を呈する腫瘤性病変」
手稲渓仁会病院 消化器病センター 真口 宏介
1)膵管内管状腫瘍の1例
札幌厚生病院 第2消化器内科 長川 達哉
2)著明な主膵管内進展を伴った膵神経内分泌腫瘍の1例
京都大学医学部附属病院 消化器内科 松森 友昭
3)特異な発育を呈した破骨巨細胞型退形成性膵管癌の1例
自治医科大学附属病院 消化器肝臓内科 横山 健介
4)主膵管内進展を認め、二期的膵全摘を行った膵腺房細胞癌の1例
愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部 渋谷 仁
日常診療において、腹部超音波検査などで発見される主膵管拡張が膵腫瘍の発見契機になることも少なくない。 膵管癌などによる直接的な浸潤性閉塞による場合が多いが、腫瘍の膵管内発育進展による主膵管閉塞が原因となる こともある。このような病態を示す主たるものは膵管内腫瘍(IPMNおよびITPN)であるが、他にも膵腺房細胞癌、 神経内分泌腫瘍、退形成膵癌、転移性膵腫瘍なども膵管内発育進展を呈することがある。これらの腫瘍は、各々 その発育進展形態が異なり、画像での鑑別診断には難渋することがある。また、診断確定後も内科は進展度診断、 外科は膵切除範囲や術式選択に悩むことも多い病態である。本セッションでは、膵管内発育進展を呈する膵腫瘍 の診断と治療について病理学的な裏付けを基に討論したい。多くの演題応募を期待する。