おかげ様をもちまして、2,283名の先生方にご参加頂き、大盛況のうちに終了することが出来ました。
当日の研究会の模様を収録したDVDをお貸出しております。申込順にお貸出をしておりますので、詳細はEAファーマ・担当MRにお問合せください。
日時 | 2013年7月20日(土)8:45〜15:55(予定) |
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場所 | グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「北辰・崑崙」
〒108-8612 東京都港区高輪3-13-1 TEL.03-3442-1111 |
会場費 | 3,000円 |
パンフレット | 消化管の部 肝胆膵の部 |
プログラム | プログラム簡易版 |
日常診療にて食道に潰瘍性病変を認める事は稀だが、びらんに遭遇する事は多々あり、時に 鑑別に苦慮する。頻度的には逆流性食道炎が多いが、扁平上皮癌、Barrett's食道癌でもびらん・ 潰瘍を形成し得る。また、ベーチェット病やクローン病、好酸球性食道炎などの全身性疾患に伴う症例や、ヘルペスやサイトメガロなどの感染症でもびらん・潰瘍は形成される。
本セッションではびらん・潰瘍を呈する食道病変の症例検討を行い、びらん・潰瘍を呈する食道病変の鑑別診断に迫りたい。
胃癌大国日本でもピロリ非感染胃粘膜に遭遇することが普通になってきた。つまり背景胃粘膜が変化してきたのである。それ故に胃癌診断という意味では、萎縮のない胃粘膜を眼前にして我々自身の内視鏡観察も混乱していることに気付かされる時がある。胃癌診断学は萎縮変化を背景にした色調や表面の微小変化を観察することで進歩してきたが、以前の診断学を再考する(進歩させる)時期にきていると思われる。
このような背景を踏まえ、今回は胃底腺領域つまり非ないし軽度萎縮胃粘膜に存在する陥凹性病変に注目することで新たな時代に適応した胃内視鏡観察について実際の症例を通して新時代の胃粘膜診断について議論したい。なお、興味ある病変や日常臨床において鑑別に苦慮した病変などの応募を期待する。
小腸にびらん・潰瘍が発生する疾患としてクローン病、腸管ベーチェット病・単純性潰瘍、非特異性多発性小腸潰瘍症などの原因不明慢性炎症性疾患、腸結核などの感染性疾患、癌、リンパ腫などの腫瘍性疾患、NSAIDs潰瘍などの薬剤性腸炎、虚血性腸炎などが挙げられる。
一方、バルーン内視鏡やカプセル内視鏡の普及により、小腸病変に遭遇する機会が増加した。なかでも、小腸内視鏡検査の適応である消化管出血例では、びらん・潰瘍を呈する病変が少なくない。しかし、従来の小腸疾患の診断学はX線所見に基づいており、内視鏡検査で発見される小病変の鑑別の進め方は未だ確立されてはいないのが現状である。加えて、小腸内視鏡の導入により改めて注目されている疾患や、その存在が明らかとなった疾患も少なからず存在する。
そこで、本セッションでは消化管専門医が知っておくべき小腸疾患の内視鏡所見と病理学的特徴を提示頂き、X線・内視鏡所見からみた小腸のびらん・潰瘍の鑑別に関する理解を深めたい。可能な限り数多くの画像をご覧頂きたいと考えている。
肝臓の画像診断においては嚢胞性腫瘤に高頻度に遭遇する。多くは単純性嚢胞であるが、単純性嚢胞の診断基準に合致しないものには、単に出血や感染を合併した複雑性嚢胞の他に、寄生虫性嚢胞や過誤腫的嚢胞および腫瘍性嚢胞が含まれており、注意が必要である。さらに、腫瘍性嚢胞の中には過去に本研究会で取り上げられた粘液性嚢胞腫瘍や嚢胞性腫瘍の肝転移などのいわゆる嚢胞性腫瘍のみでなく、神経内分泌腫瘍などの充実性腫瘍の嚢胞変性や肝内胆管から発生した胆管内腫瘍により拡張した胆管が嚢胞状に見えるものなどまで様々な病態が含まれると考えられる。
本セッションでは、画像所見が明瞭であり、手術あるいは生検などで確定診断の得られた種々の肝嚢胞性腫瘤の症例を呈示して戴きたい。出来るだけ多数の症例を検討し、肝嚢胞性腫瘤の鑑別診断について考えるため、多数の応募を期待したい。
胆嚢壁肥厚性病変は良性・悪性の多彩な疾患で認められる病態である。良性疾患では、慢性 胆嚢炎、黄色肉芽腫性胆嚢炎、胆嚢腺筋腫症、膵胆管合流異常による胆嚢粘膜過形成などが挙げられるが、良悪性の鑑別診断に困難な場合がある。近年、この病態における鑑別診断に関して、造影MRI、造影超音波内視鏡(EUS)、内視鏡的経鼻胆嚢ドレナ−ジ(ENGBD)を用いた胆汁細胞診、EUSガイド下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)の成績などが報告されている。このテ−マは10年前の本研究会でも取り上げられているが、当時と比較してどこまで診断成績が進歩したかを検証しつつ討論を行いたい。多数の演題応募を期待する。
膵管癌は日常臨床でしばしば遭遇する悪性膵疾患である。その多くは膵内に不整な充実性腫瘤と尾側の膵管拡張を呈し、造影画像ではいわゆる"乏血性"所見を有するため、ある程度の典型像は想定されているが、実際の診断においては容易でないこともしばしばあり、さらに小病変についての知識は十分とは言えない。また、NETなど他腫瘍や炎症との鑑別診断の課題も残されている。そこで本セッションでは「非典型的な膵管癌」の画像にフォーカスを当て、そのスペクトラム、臨床・病理上の特徴を明らかにしたい。多数の演題応募を期待する。