おかげ様をもちまして、2,543名の先生方にご参加頂き、大盛況のうちに終了することが出来ました。
当日の研究会の模様を収録したDVDをお貸出しております。申込順にお貸出をしておりますので、詳細はEAファーマ・担当MRにお問合せください。
日時 | 2012年7月28日(土)8:45〜15:55 |
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場所 | グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール3階「北辰・崑崙」
〒108-8612 東京都港区高輪3-13-1 TEL.03-3442-1111 |
会場費 | 3,000円 |
パンフレット | 消化管の部 肝胆膵の部 |
プログラム | プログラム |
病変を一括で切除できるESDの普及により、早期胃癌の範囲診断はより正確性が求められるようになってきた。最近の高画質内視鏡や画像強調内視鏡は胃癌診断学を飛躍的に向上した。しかし、分化型癌のうち超高分化腺癌や細胞異型の弱い中分化腺癌を主体とする組織型や未分化型癌ではしばしば病変の拡がり診断に苦慮することがある。表層の構造細胞異型の弱い超高分化腺癌や表層分化を示す発育や非癌腺管との混在する癌、表層の表面微細構造と微小血管構築像を保ちつつ腺頸部を進展する未分化型癌、には未だに診断に限界があると思われる。
本セッションでは、胃癌側方進展範囲の内視鏡診断の基本と病理的特徴を基調講演とした上で、症例検討を行うことで理解を深めていただこうと考えている。術前範囲診断の限界病変となる要因を知り、治療方針の決定にはどのようなことを考慮するべきか、を考えることで日常臨床診断の手がかりとなれば幸いである。
近年の大腸癌罹患率の増加及び内視鏡機器の進歩に伴い、大腸SM癌の発見数、内視鏡治療数は増加している。発見された大腸cSM癌の治療方針は、大腸癌治療ガイドラインに従って決定される場合が多く、中期予後からみたその妥当性も報告されている。しかしながら、内視鏡治療の適応、内視鏡治療後追加腸切除の適応に関してはSM浸潤距離の計測法も含めて十分に周知、遵守されているとは言い難い。また、現在、リンパ節転移のない多くの大腸SM癌に対して外科手術が行われていることも問題点のひとつとして指摘されている。高齢化社会の加速に伴い、併存疾患などの理由により、今後さらに増加すると考えられる大腸SM深部浸潤癌に対する内視鏡治療において、いかに安全・確実に完全摘除を行いうるか、そのための新たな診断学確立も極めて重要になると考えられる。
本セッションでは、現在の大腸癌治療ガイドラインにおける術前の内視鏡的SM浸潤度診断、および摘除標本の病理学的評価における重要な事項についての解説と周知徹底を行いたい。また、今後のガイドラインの改訂に向けて、追加腸切除考慮適応基準の見直し、さらには、内視鏡的完全摘除可能な大腸cSM癌に対する拡大観察、NBI/FICE、EUSなどを用いた術前SM浸潤度診断について、実際の症例検討も交えて議論したい。活発な討論を期待する。
隆起性病変は、高分化の扁平上皮癌で上方向発育をするものから、低分化の扁平上皮癌、さらにbasaloid squamous carcinoma, mucoepidermoid carcinoma, adenoid cystic carcinoma, endocrine cell carcinoma, carcinosarcomaやmelanomaなど、特殊な組織型を呈する病変もあり、自ずと深達度診断も変わってくる。
その治療方針(EMR/ESDの適応)の決定にも組織型の推察、深達度診断は重要であるため、今回の臨床消化器病研究会では隆起を呈する食道病変をとりあげ、通常型の扁平上皮癌との鑑別診断や深達度診断に迫りたい。特異な形態を呈した扁平上皮癌や、隆起を呈する特殊型腫瘍を広く公募する。
肝腫瘍において根治的な外科切除術や局所療法後、当初の予想に反して早期に再発した症例を経験することがある。このような腫瘍の多くはその後、局所的な治療のみでは制御できない可能性が高く予後不良である。
一方、現行のわが国の肝癌診療ガイドラインと欧米のガイドラインでは、肝腫瘍の大きさ、個数と背景肝病変により治療方針は規定されており、早期に再発する肝腫瘍の診療には対応できていない。
今回は、これまで予後不良因子とされてきた画像診断上の脈管浸潤などがみられないにもかかわらず早期に再発・転移をきたす悪性度の高い様々な(肝細胞癌を含めた)肝腫瘍を主題として取り上げた。その臨床・画像・病理上の特徴を本セッションで検討し、現時点でこのような腫瘍をいかに診断し、治療すべきか明らかにしたい。
近年の画像診断の進歩により、胆管狭窄の存在診断は比較的容易となってきた。しかし質的診断に関しては未だ日常臨床で鑑別診断に苦慮することが少なくない。胆管狭窄の原因は術後狭窄や原発性硬化性胆管炎、慢性膵炎、IgG4関連硬化性胆管炎(AI Pに伴うものも含む)といった良性狭窄から胆管癌、胆嚢(管)癌をはじめとする悪性狭窄まで多岐にわたり、その部位も肝内胆管、肝門部そして中下部、さらには複数部位と多くのバリエーションがある。
そこで本セッションでは、日常比較的遭遇する可能性のある上記疾患の典型例および鑑別困難例の画像診断について、"鑑別に必要(あるいは不必要)な画像検査はなにか?"や、これら画像検査の中で"この所見があればこう診断する!"といった診断のコツについて論じてみたい。なお悪性狭窄では切除標本との対比は必須であるが、良性狭窄においては組織生検に基づく長期経過観察例でも構わない。多数の応募を期待する。
膵腫瘤性病変には膵癌、膵神経内分泌腫瘍、腫瘤形成性膵炎などが大部分を占めるが、稀な病変として転移性膵癌も鑑別に挙げる必要がある。転移性膵癌は、その多くが進行した癌の終末像として全身への転移の一部分症として発見されると考えられているが、腎癌のように外科的切除で明らかに予後の改善するものや、原発性膵癌との鑑別を要し、その結果によっては選択すべき治療が大きく異なる等の症例も見られる。近年、画像診断の向上やEUS-FNAの普及、手術の安全性の向上、更には化学療法の進歩に伴い、治癒、もしくは治療に奏功する転移性膵癌の報告も増えている。
本セッションでは、画像所見が明瞭であり、手術あるいは生検等で確定診断の得られた種々の転移性膵癌の症例を呈示して戴きたい。多数の応募を期待している。