「第12回臨床消化器病研究会」は、お蔭様をもちまして、無事盛会のうちに終了致しました。全国より多くの先生方にご参加頂きまして、誠にありがとうございました。
当日の研究会の模様を収録したDVDをお貸出しております。申込順にお貸出をしておりますので、詳細はEAファーマ・担当MRにお問合せください。
日時 | 2011年7月23日(土)8:45〜15:55 |
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場所 | グランドプリンスホテル新高輪 国際館「パミール」 3階「北辰・崑崙」
〒108-8612 東京都港区高輪3-13-1 TEL:03-3442-1111 |
会場費 | 3,000円 |
プログラム | 詳細プログラム |
プログラム
慢性炎症は悪性腫瘍発生の危険因子であり、消化管では慢性胃炎と潰瘍性大腸炎の癌化が知られている。なかでも、潰瘍性大腸炎は有病率の上昇にともない、本邦においても癌化例の報告が増加している。従って、本症における腫瘍性病変の早期診断と治療は極めて重要な課題といえる。しかし、慢性炎症を伴う大腸粘膜に発生した腫瘍性病変を診断することは容易ではない。近年では、画像強調内視鏡を用いることで存在診断や質的診断能が向上する可能性が示唆されているが、至適なサーベイランス法や診断法が確立されたとは言いがたいのが現状である。一方、実際に診断された病変が慢性炎症に関連したものか否かの鑑別についても曖昧な点が多い。
そこで、本セッションでは、大腸腫瘍を合併した潰瘍性大腸炎症例の病理学的特徴と内視鏡所見について、範囲・深達度診断まで含めて徹底討論し、上記疑問点解決に向けた糸口を見つけたい。
近年、内視鏡の高画質化、Image Enhanced Endoscopy や拡大内視鏡の普及に伴い、内視鏡から得られる情報は飛躍的に増加した。一方、フラットパネルやCアームの開発・普及に伴い食道造影検査の精度も著しく向上した。
しかし、様々のモダリティーを用いても深達度診断が困難な症例も存在する。なぜか?撮影法が悪いのか?解釈が悪いのか?治療法の選択に直結する深達度診断の精度を向上させるためには、診断困難例を十分に検討して困難の原因を解明する必要がある。
本セッションでは臨床画像と病理学的所見の一対一対応が可能であった症例を元に、深達度診断困難例の原因解析と対策に関して検討する。深達度診断の向上の一助になれば幸いである。
胃がんの診断学は、高画質内視鏡や画像強調内視鏡の登場に伴い存在診断・質的診断・量的診断すべてにおいて飛躍的に向上した。一方で、凹凸や色調の違いのみにとらわれた漫然とした生検は、質診断能の低下を助長していないだろうか?臨床にとって「何を診ているか?」を常に考えながら観察すること、すなわち健常と違う所見は何なのかを意識しながら観察することで診断能が持続的に進歩すると信じることはもはや時代遅れなのであろうか?
本セッションでは、潰瘍をきたす胃病変に焦点を当てて、一般の臨床現場において得られるさまざまな技術を駆使した診断を丁寧に行っていただく。病理組織所見との対比から「何を診ていたか?」を突き詰めることにより、日常臨床診断の手がかりとなれば幸いである。
我が国の肝癌診療ガイドラインをはじめ各種のガイドラインにおいて、肝細胞癌(HCC)は「ダイナミックCTあるいはMRの動脈優位相で増強され、門脈相または平衡相でwashoutを示すもの」と画像上定義されることが多い。しかしながら、実臨床においてはこのような画像パターンを示しながらも、HCCでない腫瘤をまれに経験することがある。殊に最近肝の画像検査の主流となりつつある、組織特異性造影剤Gd-EOB-DTPAを用いたMRのみを用いて評価すると、このような「偽陽性」結節が増加する、との危険性も指摘されている。今回の主題では、所謂HCCの高リスク群(ウイルス肝炎、NASH、他の原因による肝硬変など)に発生したHCCとの鑑別が問題となった多血性腫瘍(非HCC)を取り上げ、そのスペクトラム、臨床・病理・画像上の特徴を明らかにしたい。
乳頭部腫瘍には腺腫、癌、カルチノイドなどがあげられるが、その存在診断、良悪性の鑑別、腫瘍の膵管内あるいは胆管内進展度診断の方法論にはgolden standardが存在しているとは言い難い。今回のセッションでは症例検討を通じて、診断におけるMDCT、EUS、IDUS、MRCP、ERCPなどのモダリティーの役割を明らかにしていただきたい。
治療に関して内視鏡的乳頭切除術の報告が増加しているが、その適応について膵胆管内進展を伴わない腺腫とするか、腺腫内癌まで含めるかは意見が分かれている。また外科的治療法として、膵頭十二指腸切除以外に低浸襲な縮小手術の可能性も議論したい。画像と病理の対比が十分になされ、長期経過が追跡しえた症例をふるって御応募いただきたい。本セッションでの検討から、乳頭部腫瘍の診断と治療に関する現時点でのコンセンサスの確立を目指したいと考えている。
IPMNは国際診断ガイドラインにより、治療指針についての一定の方向性が示された。ガイドラインでは、主膵管型と分枝型の2分類が推奨されており「主膵管径が1cm以上に拡張していれば主膵管型IPMNの可能性が高い」と記載し、主膵管型で悪性および浸潤癌が高率であるという理由から全例を手術適応とした。但し、混合型の範疇も残し、将来に向けて主膵管型と分枝型を分類すべく努力をすべきと追記している。しかし、主膵管内病変の有無に関わらず主膵管拡張がみられれば主膵管型と判定して良いのか、典型像はどのようなものであるか、混合型との区別はできるのか、実際に癌との関連はどう明確であるのか、など治療方針に関わる基本的な問題点はまだまだ多い。
そこで「主膵管型IPMN」に焦点をあて、典型例の特徴を確認し、さらに分類の異なる可能性のある例を提示頂き、将来に向けた定義確立の一歩にしたいと考える。