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「第5回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題5

7.Subtraction color map CTからの仮想EUS画像を造影EUSに活かす試み

京都府立医科大学 消化器内科

阪上 順一、保田 宏明、十亀 義生、加藤 隆介、土井 俊文、間嶋 孝、片岡 慶正、伊藤 義人

はじめに

膵疾患における血流の判定に膵perfusion CTの有用性が報告されている。しかし、その実施に際しては十分なICを行い倫理的側面に配慮すべきである。また、病変が小さい場合には判定に苦慮する場合もあり、MPR画像が作成できないというデメリットがある。

目的

第4回膵perfusion CT画像研究会では、造影CTからのsubtraction color mapを用いた仮想超音波画像とparametric MFIを対比検討した。今回は仮想EUS超音波画像を作成し、実際の造影EUSと対比検討を試みた。

症例

58歳女性、膵鉤部インスリノーマ。造影EUSとダイナミックCTを実施。

造影EUS

EUS(図d)下にPerflubutaneを0.015ml/kgをbolus静注し、ファーストパス『腫瘍部と周辺膵のTICを作成(図f;黄色:腫瘤部、水色:周辺膵)』が確認された後に速やかにバーストし、加算モードでAVIファイルを作成する(図g)。 EUSのスキャン部位とファイバー方向のおおよそを記載しておく。

膵subtraction color map(SCM)による仮想EUS

造影早期相CT画像と単純CT画像をオートレジストレーションさせ、サブトラクションする。カラーマップした後に、EUSのスキャン部位とファイバー方向から、仮想EUS超音波画像を作成する。任意のROIをとって、増加CT値を測定した。

膵parametric micro-flow image

既報(第4回膵perfusion CT画像研究会)に従って、経腹超音波におけるparametric MFIを追加し(図e,)、SCMによる画像(図c)と対比した。

成績

造影EUSでは膵腫瘤は周辺膵よりも早期に造影され、造影遷延するパターンが得られた。ほぼ同様のviewを作成することができた仮想EUSの腫瘍濃染は周辺にやや強く、経腹parametric MFIでも周辺から造影されていた。

CTのsubtraction color mapから仮想EUS (図a)を作成し、補助画像とすることで、撮像された造影EUS(図b)の微細な血行動態が把握できた。

結語

小病変のMPR画像は膵perfusion CTでは構築が難しい。今回、subtraction color map CTによる仮想EUSをリファレンス画像に応用したインスリノーマ症例を呈示した。仮想EUSは、実際のEUS画像と類似のviewを得ることが可能であり、subtraction color map表示することにより微細な造影効果を対比できた。

発表スライド