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「第1回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題2

2.膵臓PCT(Perfusion CT)撮像条件に関する基礎的検討

1)京都大学医学部附属病院放射線部

2)京都大学大学院医学研究科消化器内科学

3)大津市民病院放射線部

小泉幸司1)、大狩興司1)、鮫島季美子1)、藤 利栄3)、松田 晃1)、山田晃寛1)、辻 喜久2)

目的

膵臓PCT撮像条件(管電圧および線量)の検討

方法

使用機器:Aquilion64(東芝メディカルシステムズ)、自作ファントム、電子密度ファントム(Gammex社)および人体ファントム(京都科学)、TLD素子。(1)120kVでCT値を約300HUに希釈調整したヨード造影剤を封入した自作ファントムおよび電子密度ファントム(各組織を想定したロッドを封入)を管電圧のみ変化(135,120,100,80kV)させて撮像し、CT値を計測した。

(2)TLD素子を人体ファントムに設置し、PCT撮像条件で管電圧のみを変化(80および120kV,30mA,1.5s/r)させて表面線量を計測した。また装置表示のCTDIvolを比較検討した。

結果・考察

(1)ヨード造影剤のCT値は管電圧が低くなるにつれて上昇した(80kVで510HU)。電子密度ファントムにおいて、人体臓器や水を想定したロッドでは大きな変動は見られず、骨を想定したロッドでは管電圧変化によって変動した。(2)表面線量については80kVでは120kVに比して約55%減少した。CTDIvolにおいては約63%減少した。

考察

ヨード造影剤を用いたPCTにおける低管電圧(80kV)の有用性が線量低減とともに確認できた。また今回我々の撮像条件において100mGyを超える部位は無く、CTDIvolにおいては腹部ダイナミックCT検査(単純+造影2相)と同様であった。しかしながら,PCTによる放射線障害についての報告1)や警告2)があることをふまえ,適応や撮影条件については慎重に検討するべきである.また今回はPerfusion解析アルゴリズムに関しては検討していないため、今後は解析アルゴリズムごとの画質に関する検討が必要である。

1)Yoshimasa Imanishi et.al /Radiation-induced temporary hair loss as a radiation damage only occurring in patients who had the combination of MDCT and DSA vol 15:41-46 2005,Eur Radiol

2)http://www.fda.gov/MedicalDevices/Safety/AlertsandNotices/ucm185898.htm


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