開催記録

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「第4回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題5

5.膵perfusion CTによる膵癌の予後予測

武田 和憲1)、木村 憲治2)、島村 弘宗1)、佐藤 明弘3)

国立病院機構仙台医療センター外科1)、消化器内科2)、放射線科3)

膵癌は乏血性であり、膵癌組織の血流量測定は膵腫瘍の鑑別診断に有用であると考えられる。しかし、腫瘍の血流量が膵癌の予後と関連するかについては十分な検討がない。今回、perfusion CTを施行した膵癌切除症例を対象として膵血流量と予後について検討した(Philips Brilliance 16、Maximum slope法)。

結果

膵癌の腫瘍径とperfusionには有意の逆相関がみられたが、blood volumeとの間には相関はみられなかった。膵癌の腫瘍径と予後にも相関はみられなかった。一方、Perfusionと予後およびblood volumeと予後には有意の相関が認められた。予後因子(年齢、T因子、N因子、perfusion、blood volume(BV)、Peak enhancement intensity(PEI)、Time to peak (TTP))の単変量解析ではT因子、perfusion 、BV、PEIが有意の予後因子であった。多変量解析ではBVとPEIのみが有意の予後因子であった。BVを予後指標としたKaplan-Meirによる生存率の比較ではblood volume 低値群ではMSTが9.5ヶ月、blood volume高値群ではMSTが34.6ヶ月であった。

結語

Perfusion CTによる腫瘍血流測定のパラメータは膵癌切除例の予後予測に有用である。

発表スライド