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「第4回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題3

3.Perfusion CTを用いた重症急性膵炎におけるacute necrotic collection (ANC)の評価と推移

山宮 知、北村 勝哉、石井 優、佐藤 悦基、岩田 朋之、野本 朋宏、湯川 明浩、山﨑 貴久、本間 直、池上 覚俊、吉田 仁

昭和大学 医学部 内科学講座消化器内科学部門

当施設では,2013年5月から急性膵炎における膵虚血の評価として膵Perfusion CTを導入した.2013年5月から9月までに膵造影不良域を伴う厚生労働省急性膵炎重症度判定における予後因子3点以上または造影CT Grade 2以上の重症急性膵炎(SAP)に対して,2経路膵局所動注療法(CRAI)を施行し,CRAI前後(SAP診断時,入院約2週間後)で膵Perfusion CTを施行した3例を評価した.

症例1

60代男性.予後因子3点,CT Grade 3(造影不良域:膵頭体部)のアルコール性SAP.CRAI前後での膵造影不良域のFv値(正常膵とのFv比)は,17.75(0.14)→38.70(0.23)に上昇した.

症例2

50代男性.予後因子1点,CT Grade 3(造影不良域:膵体尾部)のアルコール性SAP.CRAI前後での膵造影不良域のFv値(正常膵とのFv比)の推移は,115.09(0.45)→129.65(0.42)であった.<症例3> 30代男性.予後因子0点,CT Grade 2(造影不良域:膵尾部)のアルコール性SAP.CRAI前後での膵造影不良域のFv値(正常膵とのFv比)は,38.89(0.16)→50.52(0.30)に上昇した.

結論

SAPに対する2経路CRAI前後に膵Perfusion CT を施行し, 虚血部位の改善程度を数値化した3例を経験した.膵虚血部位と正常膵のFv比を算出する事で,相対的な虚血の評価ができる可能性があり,更なる症例蓄積による検討が必要であると考えられた.今後,膵Perfusion CTの症例を蓄積し,CRAIの適応について検討するとともに,膵虚血改善効果と合併症や予後との関連性を検討する.

発表スライド