京都府立医科大学 消化器内科
発表者氏名:阪上順一(さかがみ じゅんいち)
共同研究者:保田宏明、十亀義生、片岡慶正
急性膵炎発症時における膵虚血の判定に膵Perfusion CTの有用性が報告されている。しかし、その実施に際しては十分なICを行い倫理的側面に配慮せねば撮像できない。
今回、急性膵炎の膵Perfusion CTにヒントを得て膵Parametric USを行ったため両者の比較を交えて提示する。
Philips社のBrilliance 64を用い下記の設定で息止めなしで撮像している(IRB通過)。Voltage : 120 Kv、mAs : 100 mAs、Collimation : 32 x 1.25 (5 mm x 8 slice)、Slice thickness : 5 mm、Slice increment : 0 mm、Rotation time : 0.4 sec、Cycle time : 2.0 sec、Filter : B、Scan time : 60 sec。健常成人の膵実質のPerfusion値は60~70ml/min/100ml(以下単位を略す)が多い。
Toshiba medical社のAplio XGを用い、下記の設定で息止め下で撮像している(IRB通過)。を0.015ml/kgをbolus静注し、ファーストパスが確認された後に速やかにバーストし、加算モードでAVIファイルを作成する。バースト後の2.5秒間を暖色から寒色にカラーマップし(図a)、Parametric画像を作成しMPEG-4変換保存した。
PCTは撮像範囲全体を俯瞰でき、血流量を数値化できる点でPUSを凌いでいた。PUSは簡便、低侵襲であり、ユビキタス性にすぐれていた。急性膵炎発症時(図b)と軽快退院後(図c)のPCTを示したが、明らかな血流の改善がみられた。
PUSがPCTのように急性膵炎後の膵虚血判定に利用できるかは今後の検討を要する。