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「第3回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題1

1.「急性膵炎発症後からperfusionCT撮影までの時間と、壊死に対する診断能との関連の検討」

1)倉敷中央病院 消化器内科、2)倉敷中央病院 放射線科、

3)Division of Radiology/Gastroenterology and Hepatology, Mayo Clinic

吉田司 1)、菊池理 1)、辻喜久 3)、松枝和宏 1)、渡邊祐司 2)、山本博 1)

緒言

膵perfusionCTは、急性膵炎における虚血の早期発見に有用であるという報告がある一方発症後どの程度の時間がたてばperfusionCT上虚血が顕在化するのかに関しては十分わかっていない。今回我々は、急性膵炎発症72時間以内に撮像された膵perfusionCT画像上の虚血の、壊死に対する感度、特異度、正診率を時間別に比較、検討した。

対象と方法

2006年から2011年にかけて、当院で急性膵炎の発症72時間以内に膵perfusionCTを撮影した42症例、延べ49回でretrospectiveに画像を作成、解析し画像のみで膵虚血の判定を行ない、後の画像診断での膵壊死との一致率を6時間以内、6-12時間、12-24時間、24時間以上という撮影時間別に検討した。

結果

PerfusionCTで判定された膵虚血の実際の膵壊死に関する感度/特異度/正診率は6時間以内で50%/N/A/50%,6-12時間で100%/40%/57%,12-24時間で100%/67%/77%,24時間以上で91%/100%/96%であった。72時間以内全体では感度86%/特異度79%/正診率82%であった。

考察

膵perfusionCTは急性膵炎の発症12時間程度経てば十分な感度で虚血を診断できた。

発症6時間以内の撮影では、軽度の血流低下にも注意し、発症12時間程度での再検を考慮すべきと考えられた。発症24時間以内の虚血は必ずしも壊死を意味しない一方で、発症24時間以上の虚血は壊死に陥ることを示唆するものと考えられた。


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