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「第2回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題15

15.「当院における膵 Perfusion CTの現状」

1)大津市民病院 放射線部、2)大津市民病院 放射線科、3)大津市民病院 消化器科

中村昌文 1)、青木悦雄 2)、高田龍介 3)、若林直樹 3)、片岡慶正 3)

背景

当院は2010年7月に解析ソフトを導入し、急性膵炎に対してPerfusion CTを施行している。導入時のメーカー推奨条件は120kV , 100mA , 1.0sec/rot , 連続撮影(40秒),スライス厚 2.5mm で、CTDIvol は330.34mGy , DLPは1321.34mGy・cmとなり、容認できない値となった。

目的

メーカー推奨の撮影および画像解析プロトコルの見直しについて検討

使用機器

Lightspeed VCT(GE Healthcare)[ 0.625×64DAS , Coverage 40mm ]

ADW4.4(GE Healthcare) [ Perfusion4(Deconvolution法)]

検討項目

  1. 低線量化に向けた撮影条件の検討
  2. 解析処理パラメータの最適化について検討

結果(1)

自作ファントムによる管電圧の評価ではファントムのCT値50・150・200HUすべてにおいて120kVから100kVへの変更で約1.2倍、80kVへの変更で約1.6倍にCT値が上昇した。また、撮影間隔2.0秒以上でFunctional Mapに変化が生じた。撮影線量に関しては、量子フィルタは搭載されているがシステム上使用できないこと、最大再構成スライス厚が5mmであることからメーカー推奨条件の100mAsが妥当とした。

結果(2)

結果(1)より撮影プロトコルを80kV , 200mA , 0.5sec , 2秒間隔40秒撮影とし、本法で撮影されたデータを用いて検討を行った。サンプリング間隔は1.0sec以下でFunctional Mapに変化を生じたことから、間歇撮影での補間処理は必須であると考えられた。解析画像サイズは170×170 pixel(デフォルト)以上の設定が望ましく、時間軸方向に対するスムージングについては2秒間隔の撮影において必要ではないと考えられた。X-Y平面内のスムージングは7×7 pixel以上でFunctional Mapにおいてボケが目立った。また、スムージングなしの解析画像サイズ 170×170pixelと5×5pixelのスムージング付加した512×512pixelでは、後者の方が画質は良好であった。

考察および結論

撮影間隔の評価では2.0秒以上でFunctional Mapに変化が生じたが、管電圧80kV使用によるCT値の上昇および被ばく線量を考慮すると2秒間隔の撮影が妥当であると考えられ、CTDIおよびDLPは約1/6となった。また、メーカー推奨解析処理パラメータはワークステーションの負荷を考慮した設定と推測され、本法ではデータ量が大幅に少なくなるため高分解能な処理が可能となった。

スライド15
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