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「第2回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題11

11.「IPMCの結節に対してPerfusion CTにて解析を行った2例」

1)北野病院 消化器センター 内科

2)Mayo Clinic Department of Gastroenterology and Hepatology

3)京都大学消化器内科

西川義浩 1)、山内淳嗣 1)、淺田全範 1)、辻喜久 2)3)、八隅秀二郎 1)

背景

近年、膵疾患の診断に対して、Perfusion CTが使用され、有用性の報告がなされているが、IPMNの結節に対する解析の報告は認めない。当院では2009年12月から2011年4月まで重症急性膵炎(厚生労働省2008年の基準による)の8例および膵腫瘍の32例に対してPerfusion CTによる解析を行った。

目的

今回、IPMNの結節性病変2症例に対してPerfusion CTによる解析及び病理学的検討を加えたので報告する。

方法

使用機器:TOSHIBA Aquillion 64、撮影法:造影剤を4ml/secの速度で10秒間静脈注入し、60秒間同一部位で自然呼吸下に撮影。

ソフトウェア:TOSHIBA medical system, Body perfusion system V4.4。

解析法:Maximum slope法。

症例1

膵頭部に乳頭状の隆起性病変を伴った嚢胞性病変を認め、分枝膵管型IPMNと診断した。PBFは正常膵が134.1(ml/min/100g)であったのに対し、結節部では66.8(ml/min/100g)と低値であった。手術施行し、非浸潤性の分枝膵管型IPMCと診断した。切除標本を血管内皮に比較的特異的なCD31にて免疫染色を行い、血管のカウントを行ったところ、結節部において血管密度の低下を認めた。

症例2

膵頭部に主膵管の狭窄を伴う腫瘤性病変、膵体部の拡張した主膵管内に結節性病変を認め、膵癌と主膵管型IPMNの合併と診断した。PBFは正常部で111.6(ml/min/100g)、結節部で82.2(ml/min/100g)、膵癌部で46.9(ml/min/100g)であった。手術施行し、非浸潤性の主膵管型IPMCと膵癌の合併と診断した。同様に血管密度の測定を行ったところ、正常膵、IPMC、膵癌という順で血管密度の低下を認めた。

まとめ

正常膵、IPMCの結節部、進行膵癌と組織型が進むにつれPBFが低下し、これに相関して血管密度の低下を認めた。 Perfusion CTは膵腫瘍性病変に関して、付加的な情報となりうる可能性があると考えられた。

スライド11
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