1)久留米大学 放射線科、2)久留米大学 内科学講座消化器内科部門、
3)フィリップスエレクトロニクスジャパン
有川俊二 1)、内田政史 1)、久能由記子 1)、早渕尚文 1)、岡部義信 2)、徳安真一 2)、福田圭助 3)
健常者と慢性膵炎(CP)患者のPerfusion Parameter(PP)を比較し、さらにCP群では膵外分泌機能障害の有無におけるPPを比較してCP患者におけるCTPの有用性を評価すること。
対象はコントロール18例、CP群18例の計36症例。CTはPhilips社Brilliance iCTを用い、CTPは80kV、200mAの低管電圧、低管電流で撮影し、約45秒間にわたり膵全体を連続撮影した。造影は350mgI/ml、35mlを4.0ml/secの注入速度で投与。画像解析はMaximum slope法による専用ソフトを使用して、膵のperfusion mapを作成し、map上の膵実質内(頭部、体部、尾部)にROIを設定し、Perfusion(ml/min/100ml)、peak enhancement intensity; PEI(HU)、time to peak; TTP(sec)、blood volume; BV ml/100ml)の4項目のPPの値を算出した。
CP群はコントロールに比べPerfusion、PEI、BVの有意な低値とTTPの延長を示した(P<0.05)。また、膵外分泌機能障害のある群はない群に比べて膵の全区域においてPerfusion、PEI、BVの有意な低値、TTPの延長を示した(P<0.05)。また、コントロールはcolor mapで膵が全体的に均一に描出されるのに対し、CP群では不均一、散在性に描出された。
CTPはコントロール群とCP群の膵血流を視覚的、定量的に評価できた。特に膵外分泌機能障害のある群ではない群に比べ、Perfusion、PEI、BVの有意な低値とTTPの延長を示し、今後CTPはCPにおける膵機能評価法の1つとなることが期待された。