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「第1回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題9

9.各種膵疾患におけるperfusion CT画像の検討 ~腫瘍性病変を中心として~

済生会宇都宮病院外科

遠藤和洋、安部望、牛久秀樹、山元良、木全大、篠崎浩治、加瀬建一、小林健二

自治医科大学消化器一般外科 佐田尚宏

背景

膵には様々な腫瘍性病変が発生する。今日まで、膵腫瘍の質的診断は、画像により行われることが多くCT,MRI,ERCPなどのmodalityが用いられている。CTperfusion studyは、組織の血液潅流情報を画像化、数値化する新たな技術である。この組織血液潅流情報は、組織の病態により変化することが予想され、変化によって病変の質的診断に寄与する可能性がある。

目的

種々の膵腫瘍にCT perfusion studyを行い、病理診断結果と比較検討した。

対象と方法

病理学的診断が得られた、膵腫瘍性病変5例。(通常型膵癌2例、膵内分泌腫瘍2例(悪性1例、良性1例)、膵頭部悪性リンパ腫1例)撮影にはSeimens社 SOMATOM definition ASを、解析には同社VPCT bodyを用いた。撮影範囲は67mm、撮影時間は約43秒、撮影回数は28回。検討項目はblood flow(BF), blood volume(BV), permeability(P)およびtime density curve(TDC)でそれぞれ非病変部と比較した。

結果

全症例で病変の描出、同定は可能であった。

通常型膵癌 一例では腫瘍部のBF,BV,Pは非病変部と比較して低下していた。TDCも明らかな違いが認められた。もう一症例では、正常部との明らかな違いは認められなかった。(図1)

内分泌腫瘍 良性病変ではBF,BV,Pともに腫瘍部は高値を示した。TDCは高いピークの後に低下した。一方悪性病変では、BF,BVは腫瘍部がひくく、Pは高値であった。TDCはピークを示したあとに、遷延していた。

悪性リンパ腫BF,BV,Pともに著明な低値を示した。TDCは、漸増傾向であった。

考察

通常型膵癌では、病理検索で同様の診断であった2症例で、膵組織潅流は、全く異なったものとなった。これは病変部が認識しにくく早期診断が困難な病変があることを意味する。また、抗癌剤治療や放射線治療への反応に違いが出る可能性がある。また、今後症例を積み重ねることにより腫瘤形成性膵炎との鑑別に寄与することが期待される。内分泌腫瘍では、病変の悪性度診断に役立つ可能性がある。悪性リンパ腫は、組織潅流に明らかな違いが有り、鑑別は容易であった。

今後症例を積み重ねながら、それぞれの病理学診断とperfusion CT画像の比較検討を積み重ねることが必要である。


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