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「第1回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題7

7.Perfusion CTによる自己免疫性膵炎患者の膵血流動態の解析

1)東北大学消化器内科

2)東北大学放射線科

廣田衛久1)、津田雅視2)、下瀬川徹1)

背景・目的

自己免疫性膵炎(AIP)は、病因や長期予後が不明の疾患である。本邦のAIPの病理像は、ほとんどがlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)の像であり、著明なリンパ球とIgG4陽性形質細胞の浸潤と線維化のほか、閉塞性静脈炎が特徴的に認められる。このためAIP患者の膵実質の血流動態が病態と相関している可能性がある。今回我々はPerfusion CTを用いてAIP患者の膵血流動態を解析し、正常膵との比較とステロイド治療前後の変化を調べた。

方法

1)撮像プロトコール:撮影装置、Siemens社 Somatome Definition(64列MDCT)。使用アプリケーション:Ziostation、解析法:One compartment法(京都大学との共同研究)。注入量40ml(5ml/秒)。ローテーションタイム1秒。2)患者:未治療の自己免疫性膵炎(LPSP)患者8名(男性7名、女性1 名、平均年齢66.6歳)。全例治療前、ステロイド投与4週間後の2回perfusion CTを行った。血清IgG4は全例135mg/dL以上で平均608.1mg/dL(177~1470mg/dL)。全例に画像的な膵腫大、膵管狭細を認めた。対照群として、腫瘍性病変患者10名の正常部分の膵を用いた。対照群は男性6名、女性4名、平均年齢64.4歳。

成績

対照群は膵におけるPerfusion値(Fv値)は平均156.3mL/100g/minであったのに対し、AIPでは平均78.71mL/100g/minと有意差をもってAIPが低い値であった。Time density curve(TDC)を作成し比較すると、正常型に比べAIPではピークが低くかつピークからの低下が非常に緩やかである特徴があった。ステロイド治療前後では治療を行った7症例中5症例でFv値が上昇した。上昇した症例のTDCを治療前後で比較すると治療後にはピーク値が上がり、ピークからの低下も正常と同様に速やかとなった。

結論

AIPでは膵の血液灌流速度が低下するが、ステロイド治療後には回復する症例が多い。


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