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「第1回膵Perfusion CT画像研究会」一般演題6

6.重症急性膵炎におけるPerfusion CTの有用性

1)京都大学 消化器内科

2)京都大学 放射線科

3)倉敷中央病院 消化器内科

辻喜久1、3、児玉裕三1、小泉幸司2、磯田裕義2、菊池理3、山本博3、千葉勉1

抄録

2008年に改訂された新重症度スコアによる重症度評価によると、重症例の致命率は依然高く(約20%)、大きな問題となっている。重症急性膵炎の予後を決定する因子の一つとして膵壊死が挙げられる。重症化し膵壊死を合併した場合の死亡率は20%から40%まで上昇する。一方、膵炎の重症度を評価するために臨床上有用である造影CTであっても、発症早期の壊死予測法としての感度は低く、50-60%程度とした報告もある。しかし、発症早期に壊死予測が出来れば重症化予測につながり、早期治療導入から予後改善にいたる可能性がある。 そこで、我々はPerfusion CTに注目した。

我々は重症急性膵炎(APACHEIIスコア6点以上)の発症3日以内、30例を対象に、Perfusion CT(Deconvolution法)を用いた。Perfusion CTにより得られた値を定性的(相対的に)判断し、膵虚血の定義を「他の膵実質と比べ区域性に血流低下し、同血流低下部の平均膵血流が、同一症例における肝血流と比べ、著しく低い場合」とした。 

この定義に基づいて虚血が診断された場合、同部は3週間後の造影CTでは高率に壊死した。その壊死予測法としての感度・特異は、100%および、95.3%であった(Clin Gastroenterol Hepatol. 2007)。さらに、最近の我々の検討ではPerfusion CTによる膵虚血領域と血管造影検査による膵内動脈の攣縮部位は概ね一致した(84.1%)(J Gastroenterol. 2010 in press)。

放射線被ばくも通常のDynamic CTと概ね変わらず(Pancreas.2010)、造影剤も減量されることから、Perfusion CTは急性期の病態診断に適している。近年、動注療法(Am J Surg.1996)のEvidenceが示されたが(Pancreas. 2010)、こうした特殊治療の導入基準にPerfusion CTが有用である可能性があると考えられた。


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