国立病院機構仙台医療センター
外科 武田和憲
消化器科 木村憲治
放射線科 佐藤明弘
射線科 茄子川集
Perfusion CTは同一断面のdynamic scan によりtime-density curveを作成し、これを解析することで組織血流量を測定する灌流画像診断である。近年、膵臓領域においてもperfusion CTの有用性の報告が散見される。
今回は、Philips 社製のMDCTであるBrilliance 16を用いて行った健常膵10例および発症早期の急性膵炎30症例のperfusion CT結果について報告する。撮像方法は、右正中皮静脈に20Gの静脈針を留置し、造影剤を5m/秒で10秒間急速に注入する。撮像は1回/2秒で60秒まで撮像を行ったが、40秒以上息止めが可能であった症例を評価対象とした。Perfusion CTで得られたtime-density curveからmaximum slope法により解析を行った。
健常膵10例の検討では、perfusionは膵頭部で63.1±4.7ml/min./100ml、膵体部で63.8±8.1、膵尾部で65.1±8.7であった。また、blood volumeは膵頭部で32.8±4.1ml/ 100ml、膵体部で35.8±6.1、膵尾部で31.8±5.2であった。症例の個体差はあるものの、膵の部位による差はみられなかった。急性膵炎は浮腫性膵炎、壊死性膵炎いずれも健常膵と比較して有意にperfusion およびblood volumeが低値であった。浮腫性膵炎、壊死性膵炎虚血部位の比較では、虚血部において有意にperfusion およびblood volumeが低値であった。図1代表的な壊死性膵炎発症早期のperfusion CT画像を示す。虚血部位と非虚血部位の差がcolor mapで表示されている。Perfusion CTの経時的な変化では、浮腫性膵炎では2週間後に膵血流の正常化がみられるが、壊死性膵炎膵虚血部位ではさらに低下がみられ、血流途絶すなわち壊死が確認された(図2)。
Perfusion CTは膵の組織血流量を測定する簡便な画像診断であり、膵の解剖学的区域での違いはみられない。同一個体であれば、健常部と比較することで病変部の血流評価が可能である。Perfusion CTを用いることで急性膵炎における浮腫性膵炎と壊死性膵炎の鑑別が可能であり、経時的観察から膵虚血部位は壊死に移行するものと考えられた。すなわち、急性膵炎発症早期においてもperfusion CTにより膵虚血の診断と膵虚血部位の検出が容易であり、壊死の予測が可能と考えられる。
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