国立病院機構仙台医療センター
放射線科 茄子川 集、吉川 陽子
外科 武田 和憲
消化器 木村 憲治
放射線科 佐藤 明弘
放射線被ばくは、職業・公衆・医療被ばくの3種類に分けられる。この内医療被ばくに関しては線量限度が法令により制限されていない。膵Perfusion CTの他に、膵ルーチンCT(4相)、フォローアップCTなどを積算するとかなりの被ばく線量が予想される。しかしながら、膵Perfusion CTは今後の膵壊死の予測が可能であり、治療方針の決定に必要不可欠の検査に位置づけられつつある。
放射線防護の観点より、現在の膵Perfusion CTの被ばく線量を把握し、Protocolの変更を行ったので報告する。
現在膵Perfusion CTの解析アルゴリズムはMaximum Slope法で行っている。
血管確保は20G右尺側正中皮静脈を原則としている。Injection Rateは5ml/sec 、Volume 50ml(300mgI/ml)+生理食塩水40mlを後押ししている。Positioningは両上肢挙上・仰臥位・Feet First・基準点は剣状突起とし、通常の上腹部撮影に準ずる。最大吸気による撮影とし、呼吸による体動は上腹部をスポンジ等で圧迫すると最小限に抑えることができる。40~60secと息止め時間が長いので、3Lの酸素吸入を行う。Sirview撮影と単純撮影より、Perfusion範囲を決定する。targetが膵腫瘍の時は、前回の造影CTを参考にする。Table.2に変更後の撮影Protocolを示す。
Table.1にEDLPとCT dosimetryの比較を示す。撮影管電圧の変更により実効線量が1/2以下に減少していることが確認できる。更に当院では管電流を107mAまで下げ、以前より被ばく線量が1/6に低減されている。
CTの被ばく線量を評価する場合、実効線量では被ばくのリスクの大きさが分かり易いが、膵Perfusion CTは局所被ばくであるので、実効線量の全身評価よりもDLPの評価が適切ではないかと考える。しかしながら、膵Perfusion CTのみであれば、確定・確率的影響が心配される線量にはならないが、診断→治療→フォローアップと目的別にCT撮影が繰り返される場合、その積算の実効線量がリスクを考える上で重要となってくる。確率的影響の線量反応関係はしきい線量が存在しないと仮定されているために、理論上はリスクがゼロになることはない。しかし広島・長崎の原爆被爆者を対象にした疫学調査の結果では、白血病の統計的な有意な増加は200mSv以下の被ばく線量では認められていない。これは、広島・長崎の原爆被爆者を対象にした大規模な疫学調査でさえも十分な統計的な検出力を持っていないためである。
今後も診断の精度と画質を保証しながら、被ばく低減のProtocol検討を行うことは、桁の違う被ばくを発生させるCT装置を扱う者として、重要な責務であることを忘れてはならない。また、撮影範囲と撮影回数(相)も、DLPに直接影響するので、診断目的に合わせて必要な撮影を選択することが被ばく低減につながるものと考える。
kV | 120 (58keV effective energy) | 90 (50keV effective energy) | ||
---|---|---|---|---|
mA | 267 | |||
CTDIvol | 14.1mGy | 6.1mGy | ||
DLP | 1014mGy・cm | 438mGy・cm | ||
実効線量 (effective dose) |
EDLP | CT dosimetry |
EDLP | CT dosimetry |
15.21mSv | 24.6mSv | 6.57mSv | 9.9mSv |
ScanType | kV | mA | Resolution | collimation | Thickness |
Axial | 90 | 107 | standard | 8×3 | 3mm |
Increment | Rot.time | Cycle Time | No. of scan | matrix | Filter |
0mm | 0.75sec | 2.0sec | 30 | 512×512 | B |