開催記録

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「第16回臨床消化器病研究会」

日時 2015年7月25日(土)8:45〜15:55
場所

グランドプリンスホテル新高輪

国際館パミール3階「北辰・崑崙」

〒108-8612 東京都港区高輪3-13-1 地図

TEL.03-3442-1111

会場費 3,000円
パンフレット 消化管の部 肝胆膵の部
プログラム プログラム簡易版

消化管の部

主題1 胃:「H.pylori除菌後 胃腫瘍の診断」

司会:
小山 恒男 先生(佐久医療センター 内視鏡科)
後藤田 卓志 先生(東京医科大学 消化器内科)
病理指導:
九嶋 亮治 先生(滋賀医科大学医学部附属病院 病理診断科)
1.基調講演

「H.pylori除菌後 胃腫瘍の診断」

新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院 消化器内科 小林 正明

2.症例検討

【症例提示】

1)東京都がん検診センター 消化器内科 山里 哲郎

2)徳島大学病院 消化器内科 北村 晋志

3)新潟県立吉田病院 消化器内科 名和田 義高

【読影者】

東京医科大学 消化器内科 草野 央

市立奈良病院 消化器内科 北村 陽子

手稲渓仁会病院 消化器病センター 田沼 徳真

【コメンテーター】

石川県立中央病院 消化器内科 土山 寿志

主題のねらい

胃潰瘍 、十二指腸潰瘍 、EMR/ESD後に加え、慢性胃炎に対するH.pylori除菌療法が保険適応となり、H. pylori除菌例は急速に増大しつつある。除菌を行うと胃炎が改善し、粘膜に付着した粘液も減少するため、内視鏡観察が容易となる。その一方で、除菌後に発生した胃癌の中には、境界不明瞭なものが多く、その存在診断・範囲診断が、H. pylori陽性胃癌より困難となる事もある。

そこで、今回の臨床消化器病研究会では、H.pylori除菌後胃癌の内視鏡的、X線的、病理学的特徴を整理し、除菌後胃癌を診断するコツとポイントを明らかにしたい。

主題2 腸:「腸管非上皮性腫瘍の鑑別診断」

司会:
山本 博徳 先生(自治医科大学 消化器内科)
斉藤 裕輔 先生(市立旭川病院 消化器病センター)
病理指導:
二村 聡 先生(福岡大学医学部 病理学講座)
1.基調講演

「腸管非上皮性腫瘍の鑑別診断」

岩手医科大学 消化器内科管分野 松本 主之

2.症例検討

【症例提示】

1)済生会福岡総合病院 消化器内科 吉村 大輔

2)松山赤十字病院 胃腸センター 蔵原 晃一

3)福岡大学医学部 消化器内科学 石橋 英樹

4)自治医科大学 消化器内科 竹澤 敬人

5)市立旭川病院 消化器病センター 須藤 啓斗

6)市立旭川病院 消化器病センター 須藤 啓斗

7)市立旭川病院 消化器病センター 須藤 啓斗

【コメンテーター】

東京都がん検診センター 消化器内科 入口 陽介

九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 江崎 幹宏

大阪鉄道病院 消化器内科 清水 誠治

主題のねらい

近年の、カプセル内視鏡、バルーン内視鏡などの小腸検査機器及び大腸内視鏡検査の普及により腸管の非上皮性腫瘍の発見頻度も増加している。小腸・大腸の上皮性腫瘍の発見、診断はX線造影検査や内視鏡検査のみでほぼ十分である。一方、腸管の非上皮性腫瘍の正確な診断、鑑別は、内視鏡器機の他、超音波内視鏡やCT、MRI等の負荷が必要になる場合も多く、時に臨床的な診断、鑑別が困難なまま外科手術が施行される例もみられている。

本セッションでは小腸・大腸の非上皮性腫瘍のうち、典型的な症例の他、鑑別診断が困難であった症例、興味深い画像所見、病理所見を呈した症例などについて、美しい画像をもとに掘り下げた検討を行い、明日からの腸管の非上皮性腫瘍の診断、治療に直結するセッションにしたいと考える。多くの症例を広く集め、源泉したいと考えるので奮って御応募頂きたい。

主題3 食道:「危ない食道表在癌」

司会:
門馬 久美子 先生(がん・感染症センター都立駒込病院 内視鏡科)
高木 靖寛 先生(芦屋中央病院 内科)
病理指導:
八尾 隆史 先生(順天堂大学大学院医学研究科 人体病理病態学)
1.基調講演

「危ない食道表在癌」

埼玉県立がんセンター 消化器内科 有馬 美和子

2.症例検討

【症例提示】

1)福岡大学筑紫病院 消化器内科 小野 陽一郎

2)がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科 藤原 純子

3)川崎市立川崎病院 外科 筒井 麻衣

【読影者】

佐久医療センター 内視鏡科 高橋 亜紀子

長崎大学病院 消化器内科 南 ひとみ

東京都がん検診センター 消化器内科 小田 丈二

【コメンテーター】

川崎市立井田病院 消化器内視鏡センター 大森 泰

佐藤病院 消化器内科 小澤 俊文

主題のねらい

食道表在癌の内視鏡治療例では、切除標本の病理組織所見から深達度pT1a-EP、あるいはpT1a-LPMと診断され、切除断端が陰性ならば治癒切除と判定される。しかし、LPMであっても極めてまれな症例では、脈管侵襲を認め転移リスクを有する症例もある。さらに表在癌であっても組織学的に低分化の扁平上皮癌や浸潤性の増殖様式をとるものは転移の危険因子とされ、内分泌細胞癌など特殊組織型の癌では早期から転移し予後不良となる症例もある。

本セッションでは、このような危険因子を有する症例が治療前から予測できるのか、予測できるとすればどのような所見が組織型の違いや増殖様式の違いなどを表しているのか臨床画像の詳細な検討を行い、転移を来す可能性のある危ない食道表在癌について討論したい。

ランチョンセミナー(消化管の部)

司会:松井 敏幸 (福岡大学筑紫病院 消化器内科)

「低用量アスピリン起因性潰瘍の治療と対策 」

加藤 元嗣(北海道大学病院 光学医療診部 診療教授)

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肝胆膵の部

主題1 肝:「脂肪成分を含む結節性病変の画像と病理」

司会:
熊田 卓 先生(大垣市民病院 消化器内科)
廣橋 伸治 先生(大阪暁明館病院 放射線科)
病理指導:
中島 収 先生(久留米大学病院 臨床検査部)
1.基調講演

「脂肪成分を含む結節性病変の画像と病理」

金沢大学医薬保健研究域 保健学系 小林 聡

2.症例検討

1)非B非Cに生じた脂肪成分を含む肝細胞癌症例

隈部医院 隈部 力

2)脂肪成分を有する肝腫瘍―肝細胞腺腫の1例

北海道消化器科病院 内科 町田 卓郎

3)炎症性肝細胞腺腫の一例

豊橋市民病院 消化器内科 内藤 岳人

4)インスリン治療により消失した膵頭十二指腸切除後限局性脂肪肝の1例

東海中央病院 外科 堀田 佳宏

5)肝内腫瘤と鑑別困難だった growing teratoma syndrome腹膜播種巣の一例

福岡大学医学部 放射線医学教室 浦川 博史

主題のねらい

肝の画像診断において、脂肪成分は重要な役割を果たしている。背景肝に脂肪浸潤が見られることは日常的であるし、様々な程度脂肪浸潤が結節性病変の画像上の特徴を修飾してしまうこともしばしば経験する。また、背景肝とは無関係に、脂肪成分を有する結節性病変を認めることも稀ではない。

脂肪成分を有する結節性病変としては、肝細胞癌が有名であるが、鑑別診断として、脂肪腫、血管筋脂肪腫、骨髄脂肪腫およびadrenal rest tumorなどが挙げられ、脂肪肉腫の存在も知られている。臨床の場では局所性脂肪肝が結節性病変として描出され、鑑別に苦慮することも多い。

今回は脂肪化を含む結節性病変を主題として取り上げ、皆様の知識の整理と考察に役立てて頂けるような討論をできればと考えている。明瞭な画像と病理的な裏付けのある脂肪を含む結節性病変に関する積極的な応募を期待している。

主題2 胆:「肝門部胆管狭窄の診断と治療」

司会:
海野 倫明 先生(東北大学大学院 消化器外科学)
入澤 篤志 先生(福島県立医科大学会津療センター 消化器内科学講座)
病理指導:
柳澤 昭夫 先生(京都府立医科大学 人体病理学)
1.基調講演

「肝門部胆管狭窄の診断と治療」

名古屋大学大学院医系研究科 腫瘍外科学 梛野 正人

2.症例検討

1)良性肝門部胆管狭窄の一例

広島大学病院 消化器・代謝内科 河村 良太

2)治療に難渋している肝門部胆管狭窄の一例

手稲渓仁会病院 消化器病センター 山崎 大

3)特殊な形態を呈し、進展度診断に苦慮した肝門部胆管癌の一例

福島県立医科大学会津医療センター 消化器内科学講座 星 恒輝

4)Peutz-Jeghers 症候群に合併した肝門部胆管癌の一例

JA広島厚生連尾道総合病院 内科 南 智之

主題のねらい

肝門部胆管狭窄を呈する病態には、悪性疾患以外にもIgG4関連硬化性胆管炎や様々な炎症性狭窄なども存在し、各病態に応じた適切な治療が求められる。近年の内視鏡機器やCT/MRIによる画像診断の進歩により胆管疾患の存在・質的診断能は大きく向上しているものの、肝門部胆管狭窄に関しては十分とは言えないのが現況である。内科側としては、しっかりと良悪性の鑑別を行った上で、悪性疾患であれば外科的手術を念頭に置いた進展度診断が求められる。一方、良性と診断した場合は病態に応じた適切な治療が必要となる。外科側としても、得られた術前情報を基に手術適応を考慮し、適切な術式を選択しなくてはならない。また、手術適応がない場合には効果的な減黄法や放射線科学療法についても考慮が必要である。本セッションでは、様々な肝門部胆管狭窄症例をご提示いただき、想定される治療法を見据えた診断、そして確実な診断に基づいた適切な治療について、会場の皆様と共に考えてみたい。

主題3 膵:「いわゆるNECの画像と病理」

司会:
清水 泰博 先生(愛知県がんセンター中央病院 消化器外科)
糸井 隆夫 先生(東京医科大学 消化器内科)
病理指導:
福嶋 敬宜 先生(自治医科大学附属病院 病理診断科)
1.基調講演

「いわゆるNECの画像と病理」

自治医科大学附属病院 病理診断科 福嶋 敬宜

2.症例検討

1)膵NECの1切除例〜いわゆるNET G3の一例〜

鈴鹿中央総合病院 消化器内科 田中 宏樹

2)繊維性間質増生を伴い乏血性腫瘍として描出された微小膵NECの一例

徳島大学大学院医歯薬学研究部 消化器内科学 木村 哲夫

3)"いわゆるNEC"のインスリノーマ1切除例

豊橋市民病院 消化器内科 内藤 岳人

4)悪性度判定に施設間差がみられた肝転移を伴うNETの一例

手稲渓仁会病院 消化器病センター 矢根 圭

5)Small cell neuroendocrine carcinoma(SCNEC) の1切除例

愛知県がんセンター中央病院 消化器内科部 吉田 司

6)膵 large cell type NEC の1例

九州大学 臨床・腫瘍外科 木村 英世

主題のねらい

2010年に提唱されたWHO分類ではNETを細胞増殖動態(細胞分裂数やKi-67標識率)からNET G1とNET G2およびNECの3つのカテゴリーに分類され、NECは細胞分裂数が多く、Ki-67標識も20%を越えるものと規定されている。しかしWHO 2010分類では細胞形態(分化度)は悪性度分類からは除外されたため、組織像は典型的な高分化型を示すがKi-67指数が20%を超えるためにNECと診断される症例(NET G3)の存在が問題となっている。本セッションでは、組織学的にsmall/large cell carcinomaを呈する狭義のNECから、NET G3まで、WHO2010分類において多様性を示す"いわゆるNEC"の画像と病理に焦点を当てて本疾患の特徴を明らかにしたい。なお切除例(剖検例)が望ましいがsmall/large cell carcinomaのNECの場合には切除不能症例も多いため、生検組織のみでも免疫染色等による検討が十分行われていれば採用したい。多数の演題応募を期待する。

ランチョンセミナー(肝胆膵の部)

司会:真口 宏介 (手稲渓仁会病院 消化器病センター)

「膵切除後の外分泌機能不全と脂肪肝」

伊佐地 秀司(三重大学大学院医学系研究科肝胆膵・移植外科 教授)